著者
井川 和宣 友岡 克彦
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.411-415, 2020 (Released:2020-05-13)
参考文献数
13

ケイ素は地球上に潤沢に存在し,かつ,炭素と同様に四面体構造を形成する.しかしながら,科学が進歩,多様化した現代においてもなお,ケイ素を含む医薬品(以下,ケイ素医薬品と称する)の開発研究はごく限られている.本稿では,これまでケイ素医薬品の開発が困難であった理由について論じるとともに,その問題の一つの解として我々が着目している「キラルケイ素分子の利用」を提唱し,また,不斉合成の実際と生物活性について紹介する.