著者
井部 正之
出版者
日経BP社
雑誌
日経エコロジー = Nikkei ecology (ISSN:13449001)
巻号頁・発行日
no.163, pp.108-111, 2013-01

静岡県島田市牧之原地区。元幕臣が中心になって明治期に開拓した茶畑が一面に広がる台地である。その麓には、かつて駿河と遠江の境界だった大井川が流れ、「世界一長い木造歩道橋」としてギネス認定も受けた全長897.4mの蓬莱橋がかかっている。 島田市のゴミ処分場は、そんな市内有数の観光地を見下ろす茶畑のど真ん中にある。
著者
井部 正之
出版者
日経BP社
雑誌
日経エコロジー (ISSN:13449001)
巻号頁・発行日
no.121, pp.68-71, 2009-07

会場の入り口近くに設けられた「エコステーション」から声が上がる。そこではボランティアの主婦らが花見客にゴミの分別や、リサイクルできる容器の回収を呼びかけている。ゴミゼロのイベント目指す 「これはビニールがはがれるんですよ」 「あ、ホントだ」 こんな会話が聞かれ、紙製容器の表面に張り付いたビニールをはがして分別していく。
著者
井部 正之
出版者
日経BP社
雑誌
日経エコロジー (ISSN:13449001)
巻号頁・発行日
no.120, pp.60-63, 2009-06

2008年3月、福岡県大木町議会は「もったいない宣言」を全員一致で可決した。徳島県上勝町に続いて、国内で2番目となる脱焼却・埋め立てを目指すゼロ・ウェイスト宣言だ。 大木町は福岡県の南西部、筑後平野のほぼ中央に位置する農業の町だ。人口は約1万4500人。同町では生ゴミを焼却せずにメタン発酵処理し、分別を細分化することでリサイクル率の向上に取り組んでいる。
著者
井部 正之
出版者
日経BP社
雑誌
日経エコロジー (ISSN:13449001)
巻号頁・発行日
no.117, pp.72-75, 2009-03

岡山市東部の上道地区。その一角に位置する小鳥が丘団地は、計34世帯120人が住む一見何の変哲もない郊外の住宅地である。 だが、鼻につく異臭で何かおかしいことに気付く。実はこの団地は土壌汚染が大きな問題となっており、分譲した企業と住民の間に訴訟まで起きている
著者
井部 正之
出版者
日経BP社
雑誌
日経エコロジー (ISSN:13449001)
巻号頁・発行日
no.108, pp.82-85, 2008-06

4月16日、自民、公明両党はアスベスト被害者を「救済」する石綿健康被害救済法(石綿新法)を巡り、与党アスベスト対策プロジェクトチーム(以下、与党PT、座長・佐田玄一郎衆議院議員)の会合を開き、改正案の検討を開始した。その会合の2時間ほど前、東京・霞ヶ関の環境省記者クラブで、アスベスト被害者の遺族による記者会見が開かれていた。
著者
井部 正之
出版者
日経BP社
雑誌
日経エコロジー (ISSN:13449001)
巻号頁・発行日
no.106, pp.108-111, 2008-04

「海上の2つの訴訟では、全国で初めてというのが1つ、全国2件目というのが1つあり、全国から注目されています」 これらの訴訟は同県の旧海上町(旭市)と銚子市、東庄町の1市2町にまたがる場所に建設を予定している産業廃棄物の管理型処分場を巡って起こされたものだ。2つの訴訟とは、事業者のエコテック(千葉市)に対する処分場の建設差し止め訴訟と、設置許可を出した千…
著者
井部 正之
出版者
日経BP社
雑誌
日経エコロジー (ISSN:13449001)
巻号頁・発行日
no.107, pp.74-77, 2008-05

日の出町では、三多摩地区の25市1町で構成する東京たま広域資源循環組合の2つの最終処分場が20年以上も稼働してきた。人口わずか1万6000人の同町はこの組合に所属しておらず、いわば越境処理の形で三多摩地区370万人のゴミを一手に引き受けてきた。 同組合の処分場を巡っては十数年にわたって住民との紛争が続いている。
著者
井部 正之
出版者
日経BP社
雑誌
日経エコロジー = Nikkei ecology (ISSN:13449001)
巻号頁・発行日
no.180, pp.38-41, 2014-06

この訴訟で大きな争点だったのは、まず男性の中皮腫被害は現場の吹き付けアスベストが原因といえるのか。そして、建物が通常持っているべき安全性がなかった場合、その責任はいつから生じ、誰が負うかだ。 2009年8月の大阪地裁判決、2010年3月の大阪高裁判決…
著者
井部 正之
出版者
日経BP社
雑誌
日経エコロジー = Nikkei ecology (ISSN:13449001)
巻号頁・発行日
no.223, pp.40-43, 2018-01

現在「建設アスベスト訴訟」は計14件が係争中だ。下の表のように既に全国7地裁で判決が出ているが、今回の高裁判決で逆転勝訴となった2012年12月の横浜地裁判決以外、6地裁すべてが国の責任を認めている。高裁判決を加えると、国は7連敗だ。
著者
井部 正之
出版者
日経BP社
雑誌
日経エコロジー (ISSN:13449001)
巻号頁・発行日
no.114, pp.60-63, 2008-12

9月6日午前8時半。韓国釜山市の市営葬儀場の一室に、木魚の規則正しい音が響いていた。僧侶が座るすぐ前の祭壇には遺影が飾られ、頭を角刈りにした実直そうな男性が真っすぐ正面を向いていた。祈りをささげる僧侶の周りでは、遺族が腫れぼったい目をして見守っている。 木魚の音がやみ、遺影が運び出されると、それまで涙をこらえていた妻がわっと声を上げて泣き出した。