著者
井関 健太 矢口 勇一 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.328, pp.101-108, 2008-11-20

本報告は,任意の対画像のピクセル最適対応を与える2次元連続DPを用い,少ない枚数の画像で精度のよい3次元形状が復元できることを示す.従来法が対象物体から連続的に観測した面像列における特徴点の対応系列を利用するのに対して,提案手法は画像集合の1枚の画像と任意の他の画像とのすべてのピクセル対応を利用する.ピクセル対応点が稠密に利用できるため,因子分解法によって3次元形状を復元する際,少数枚の画像から精密な形状復元ができる.ピクセル対応関係からメッシュ構造が得られる事を利用し,ドロネー三角網を定義する事なく密なテクスチャマッピングを施すことができる.これらのことを実験で示すとともに,従来法の典型であるKLT,SIFT+因子分解法を同一画像集合に適用し,比較実験も行った.これらの実験で提案手法が従来法より精密な3次元形状復元を行うことが分かった.
著者
井関 健太 矢口 勇一 大田 和寛 千葉 将人 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.363, pp.105-110, 2008-12-11

2次元連続DPアルゴリズムと因子分解法に基づく画像からの3次元形状を効率的に復元するシステムを実現した.2次元連続DPでは画像間の全ピクセルに対する非線形対応のマッチングが可能である.そのため,因子分解法において使用される計測行列を,画像集合の1枚と任意の他の画像とのすべてのピクセル対応から生成する事で,特別な計測機器やカメラパラメータを必要とせず,少数枚数の画像のみから3次元モデルを生成する事が可能である.一方,2DCDPによる計算コストがO(N^4)となり,計算速度とメモリサイズに関する問題がある.本報告ではこれらの問題に対処するために,2DCDP計算の並列化に基づく計算機環境を構築した.また,野外の大きな建築物である城郭を対象にし,効率的に形状復元を行うシステム実装した.大規模画像への3次元形状復元には,部分3次元形状のモザイキングにより実現する.今回構築したシステムが良好に動作する事を実験により示した.