著者
仁木 和久 加来 敦史 山縣 隆男 太原 育夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.729, pp.31-36, 2003-03-10
被引用文献数
2

生きているヒトの脳機能を観測する方法のひとつに、磁気共鳴画像法(MRI)がある。本論文では、MRI撮影中にインタラクティブな実験を行うための実験システムの開発について紹介し、その上で行ったいくつかの実験を紹介する。本システムでは、光ファイバーを用いた非磁性の人力装置(光スイッチ)を用いて、その信号をPCのキーボード信号に変換することで、PC上の刺激提示プログラムにユーザーからの人力を提供し、インタラクティブな刺激提示を実現している。さらにインタラクティプな実験の例として、3D迷路と3Dドライピングゲームをとりあげ、そのような状況下でのヒトの脳の活動を解析した。
著者
仁木 和久
出版者
独立行政法人産業技術総合研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

記憶、認知に重要な役割を果たす脳基盤として大脳新皮質が注目されがちであるが、本研究では大脳新皮質とも連携して働く海馬や扁桃体等の下部脳領域に注目し、全脳にわたる連携活動の解明を目指した脳イメージング研究を展開した。記憶・認知に関与する感情の役割等を解明するなど 7 本の国際論文誌にその研究成果を発表した。東日本大震による損傷によりMRI-EEG バインディング同時計測系構築が破損したが、平行開発した DTI(拡散テンソルイメージング)を用いた神経繊維走行解析と脳機能活動や心理物理量との関連性の解析が Brain Connectome 解析として近年注目される研究の一手法として注目を集めるなど、本研究が目指した大脳新皮質と海馬、扁桃体等の下部脳領域に渡る連係動作の解析手法を構築できた。