著者
野々山 恵章 今井 耕輔
出版者
防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

先天性免疫不全症である細網異形成症、GATA2欠損症、Wiskott-Aldrich症候群、Chediak-東症候群の患者由来iPS細胞を樹立した。これらの疾患由来iPS細胞の分化障害を、in vitro 分化系を用いて検討した。その結果、細網異形成症では血液前駆細胞の代謝障害があること、GATA2欠損症では造血幹細胞への分化障害があること、Wiskott-Aldrich症候群では血小板への分化障害があることを明らかにした。また、iPS細胞の遺伝子変異をゲノム編集により正常化して分化が正常化させ、RNA Seq.を行いmRNA発現が異なる遺伝子群を見出し、分化因子の同定に向けた実績をあげた。
著者
野々山 恵章 小原 收 大嶋 宏一 今井 耕輔
出版者
防衛医科大学校
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

新生児乾燥濾紙血のTREC (T cell receptor recombination circles)とKREC (Kappa-chain recombination excision circles) 測定で、SCID, AT, XLAなどの先天性免疫不全症をスクリーニングできること、病態解析に有用であることを示した。また、分類不能型免疫不全症がTRECとKRECの陽性・陰性で4群に分けられること4群間で重症度が異なること、病態に即した治療法を選択できることを見出した。
著者
水野 朋子 今井 耕輔
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

脊髄性筋萎縮症(Spinal muscular atrophy:以下SMA)は脊髄前角細胞の変性によって、進行性に筋萎縮、筋力低下を呈する疾患である。I型が最も重症で頻度が高く、生後半年までに発症しほぼ寝たきりとなる。SMAの責任遺伝子はSMN1遺伝子であり、SMN1の両アレルの欠失あるいは変異により発症する。SMAは従来根本的な治療法のない疾患であったが、2017年より本邦において核酸医薬品が発売され、有効性が確認されている。予後改善のためには早期診断・治療が重要なため、濾紙血を用いSMN1コピー数を測定するSMA診断法を確立し、新生児マススクリーニングを行うことを目的とする。