著者
今野 晴貴
出版者
一橋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

・研究の概要本研究の目的は、労働者からの聞き取り調査を中心に、労働市場政策の有効性について、マクロ統計では把握しきれない制度の運用実態の分析から新しい視角を加えるものである。そこで、本研究では以下の課題に取り組むこととしている。1、日本の労働市場政策の歴史的研究(制度研究)2、製造業派遣・請負労働者等からの聞き取り調査(制度の運用に関する研究)3、調査結果の分析・研究の実施内容平成24年度の研究においては、2、製造業派遣・請負労働者からの聞き取り調査(制度の運用に関する研究)、3調査結果の分析を主として行なった。製造業派遣・請負労働者へのヒアリングおよび労働紛争実務家への調査は、訴訟、労働争議に発展している事例の当事者・支援者等への聞き取り調査を行った。また、研究課題である労働市場政策の運用実態を調査するため、弁護士等、労働紛争の実務家からの聞き取り調査を行ったほか、彼らの研究会等にも参加し、情報収集を行った。さらに、平成23年度に引き続き、NPOと協力した個別紛争の事例調査を実施した。・研究成果の発表上記の制度とその実際の運用との関係についての調査(主として紛争について)の結果についての分析は、日本キャリアデザイン学会で報告を行なったほか、一般書として発表した(『ブラック企業日本を食いつぶす妖怪』(文春新書)及び、『日本の「労働」はなぜ違法がまかり通るのか?』(星海社新書・刊行予定))。