著者
今関 雄人 高田 眞吾
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.3041-3051, 2009-12-15

Webアプリケーションは機能の追加や変更が非常に多いという特徴がある.このため,回帰テストが非常に重要である.Webアプリケーションの回帰テストを支援するツールとして,クライアントからの入力を保存し,それを再現してテストを再実行するものがある.さらに,これらのツールは再実行時の実行結果を検査することも可能である.しかしながら,これらのツールは,クライアントサイドの入出力にのみ着目しており,サーバサイドの入出力を扱うことができない.そこで,本論文ではサーバサイドの入出力を考慮したWebアプリケーションの回帰テスト支援ツールを提案する.本ツールは入出力としてHTTPリクエスト/レスポンス,データベース,セッション変数,サーバ時刻を扱う.本ツールはこれらの入力を保存し,それを再現してテストを再実行することができる.さらに,本ツールはこれらの出力を保存し,再実行時の出力と比較することにより,テスト結果を自動的に検査することができる.これらの機能により,Webアプリケーションの回帰テストを自動的に行うことができる.The regression testing of Web applications is very important because, compared with general applications, their requirements change more frequently. Some regression test support tools can save the input and re-execute previous tests by restoring saved input. Furthermore, these tools can automatically verify the re-executing output using assertion. However, these tools focus only on client side information and do not handle server side information. In this paper, we propose a regression test tool forWeb applications, which supports both server side and client side information. For input and output, our tool handles HTTP request/response, database, session variable, and server time. Our tool can save and restore these inputs, save the resulting outputs and compare previous outputs with re-executing outputs for verification. These functions make possible the automatic regression testing of Web applications.
著者
今関 雄人 高田 眞吾 土居 範久
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.2328-2337, 2008-07-15

ラウンドトリップエンジニアリングは,モデリング段階とコーディング段階を往復しながらソフトウェア開発を行う手法である.ラウンドトリップエンジニアリングを支援するために,クラス図の変更をソースコードに自動的に反映させ,またソースコードの変更をクラス図に自動的に反映させるツールがある.しかし,従来のツールでは,クラス図などの静的側面のモデルを扱うのみで,動的側面のモデル,すなわちシーケンス図やステートチャートとソースコード間のラウンドトリップエンジニアリングを扱うことはできない.そこで,本研究では動的モデルとソースコード間のラウンドトリップエンジニアリングを支援するツールを提案する.本ツールはMVCパターンに基づいたアプリケーションを対象とし,シーケンス図,ステートチャートとソースコード間のラウンドトリップエンジニアリングを支援する.本ツールを使用することにより,動的モデルとソースコード間の効率的なラウンドトリップエンジニアリングが可能となる.