著者
戸田 龍介 井原 理代 鵜池 幸雄 浦崎 直浩 金子 友裕 岸保 宏 工藤 栄一郎 佐藤 信彦 飛田 努 仲尾次 洋子 成川 正晃 丸山 佳久 姚 小佳
出版者
神奈川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

日本の農業の真の発展のためには,農協に全面依存し記録へのインセンティブが働いていない小規模兼業農家にかわって,農業法人や6次産業化を目指す事業体,さらには農業関連上場企業がそれぞれ農業を中心的に担っていく必要がある。この中でも,地域振興への貢献可能性からは,6次産業体が最も期待される。そして,このような事業体に,従来のような補助金ではなく,投資効果が厳しく問われる農業ファンドの資金が投入されれば,投資効果の説明のためにも,複式簿記に基づく財務諸表の作成・報告が必須となる。本研究では、このような関係においてこそ,農業発展のために複式簿記が果たし得る現代的役割が存することを明らかにした。
著者
仲尾次 洋子
出版者
名桜大学総合研究所
雑誌
総合研究 (ISSN:18815243)
巻号頁・発行日
no.17, pp.51-58, 2010-03

企業の経済活動の急速かつ広範なグローバル化のもとで,各国において国際財務報告基準(IFRS)の導入が進められている。本稿では,IFRS導入の事例として,台湾におけるIFRSへの対応について整理・検討した。台湾においては,1990年代後半からIFRSとのコンバージェンスを目指して会計基準の改訂や新たな公表が盛んに行われてきた。さらに,2009年5月には,アドプションに向けたロードマップ案,すなわち,2013年から上場企業および店頭公開企業等に対して,IFRSに準拠した財務諸表の作成を義務化する案が提案されていた。つづいて,杜[2006]の見解に基づき,IFRSのアドプションに影響を与える要因を考察した。その結果,IFRSのアドプションのためには,法律および政治環境が整備されるとともに,会計専門教育の一層の強化が急務とされる。Under rapid and extensive globalization of corporate economic activity, introduction of international Financial Reporting Standards (IFRS) in each country is being promoted, As an example, the introduction of IFRS in Taiwan, is explained and examined in this paper. Since the late 1990s, publication of revised as well as new accounting standards, have been actively done to correspond to IFRS and its convergence. Moreover, in May 2009, looking forward its adoption, a road map proposal was drafted that enforces listed companies and OTC companies to comply with IFRS in their financial statements starting year 2013. In addition, based on Du 2006 view, factors affecting the adoption of IFRS are discussed. As a result, the paper concludes that the development of legal and political environment and further strengthening of professional accounting education is urgently needed for adoption of IFRS.