著者
姚 小佳
出版者
近畿大学商経学会
雑誌
商経学叢 = Shokei-gakuso: Journal of Business Studies (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.279-296, 2010-07-01

本稿は国際会計基準審議会と米国財務会計基準審議会が提案した収益認識に関する当初取引価格アプローチが工事契約の収益認識へ及ぼす影響を明確にし, 意思決定有用性の観点から, 当該アプローチに基づく収益情報の有用性の有無を検討しようとするものである。まず, 新しい収益認識原則の開発における資産負債アプローチの必要性を述べた上で, 資産負債アプローチに基づいて提案された当初取引価格アプローチの特徴を明らかにする。次に, 当初取引価格アプローチが現行の工事進行基準へ及ぼす影響について検討する。最後に, 当初取引価格アプローチに基づく工事契約の収益数値の有用性の有無について分析する。 (英文) The purpose of this paper is to clarify the effects on construction contracts from the original transaction price approach that IASB and FASB have suggested, and to analyze usefulness of revenue information from the point of decision usefulness of financial information. This paper firstly discusses the necessity of asset-liability approach for revenue recognition and makes the characters of the original transaction price approach clear. Secondly, this paper studies the effects on the percentage of completion method from the original transaction price approach. In the end of this paper, it analyzes usefulness of revenue numbers about construction contracts.
著者
戸田 龍介 井原 理代 鵜池 幸雄 浦崎 直浩 金子 友裕 岸保 宏 工藤 栄一郎 佐藤 信彦 飛田 努 仲尾次 洋子 成川 正晃 丸山 佳久 姚 小佳
出版者
神奈川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

日本の農業の真の発展のためには,農協に全面依存し記録へのインセンティブが働いていない小規模兼業農家にかわって,農業法人や6次産業化を目指す事業体,さらには農業関連上場企業がそれぞれ農業を中心的に担っていく必要がある。この中でも,地域振興への貢献可能性からは,6次産業体が最も期待される。そして,このような事業体に,従来のような補助金ではなく,投資効果が厳しく問われる農業ファンドの資金が投入されれば,投資効果の説明のためにも,複式簿記に基づく財務諸表の作成・報告が必須となる。本研究では、このような関係においてこそ,農業発展のために複式簿記が果たし得る現代的役割が存することを明らかにした。