- 著者
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仲村 春和
- 出版者
- 東北大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2010
視神経繊維の大部分は視蓋の表層を走り、標的付近で内側に向きを変えシナプスを作るが、本研究により、最初から視蓋の深層を走る一過性の一群があることが明らかにされた。En2は視蓋の発生初期に後ろとしての位置価を与えるが、視神経が視蓋に到達した頃に、SGFS,g-j層で発現している。En2の強制発現により、En2発現細胞は視蓋の浅層に到達することはなかった。E1.5にEn2をトランスフェクトし、Doxによりその発現をE8.5に誘導すると、浅層でEn2を発現した細胞はi層に戻っていった。このことから、En2が視蓋総計性に深く関わっていることが示唆された。Neuropilin1(NRP1)がE8.5視蓋のIV,V層に、そのリガンドSema3AがVI層に発現している。IV,V層の細胞は接戦方向の移動をする細胞により構成されることが本研究により明らかとなった。その接戦方向の移動にSema-Neuropilinの反発系が関与していることが示唆された。Sema3Aを強制発現すると視蓋の層構造が乱れることから、semaphorin-neuropilinの反発系が視蓋の総計性に大きな役割を果たしていることが示唆された。