著者
伊佐次 優一 乾 淳幸 佐藤 優 廣瀬 健太 山田 拓実
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.679-683, 2020 (Released:2020-10-20)
参考文献数
20

〔目的〕変形性膝関節症患者の膝蓋骨周囲へ筋膜リリースを実施し,膝関節屈曲可動域および膝蓋下脂肪体(IFP)の厚みの変化を検討した.〔対象と方法〕対象は膝関節屈曲可動域制限を有する高齢女性の内側型変形性膝関節症患者25例(年齢は70.9 ± 9.9歳,OA gradeは2.1 ± 1.0)とした.評価方法は介入前後に殿踵間距離(HBD)を測定し,IFPの厚みは超音波画像による短軸像にて計測した.介入方法は膝蓋骨離開リリース,膝蓋骨上方・下方リリースを各3分間実施した.〔結果〕HBDは平均14.2 cmから10.1 cmと改善し,IFPの厚みは,平均21.6 mmから20.7 mmと減少した.〔結語〕膝蓋骨周囲への筋膜リリースはHBDの改善に有効であった.IFPの厚みの変化による臨床的意義に関しては,今後さらなる検討が必要である.
著者
伊佐次 優一 乾 淳幸 廣瀬 健太 山田 拓実
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.165-169, 2022 (Released:2022-04-20)
参考文献数
21

〔目的〕変形性膝関節症患者の膝蓋骨周囲へ筋膜リリースを実施し,膝関節屈曲可動域,膝関節伸展筋力,筋硬度,筋滑走の変化を検討した.〔対象と方法〕対象は,内側型変形性膝関節症患者26名(介入群14名,偽介入群12名)とした.評価方法は,介入前後に上記評価項目を測定した.介入方法は,介入群が膝蓋骨離開リリース,膝蓋骨上方・下方リリースを各3分間実施し,偽介入群は同様の動作で触れるのみの操作を行った.〔結果〕膝関節屈曲可動域に関してのみ4.47°の介入効果を認めた.しかし,臨床的に有効な差を認めなかった.〔結語〕変形性膝関節症に対する筋膜リリースの即時効果は,臨床的には効果が乏しい.