著者
佐藤 優紀
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.196-197, 2013-03-01 (Released:2014-03-01)
被引用文献数
1

本研究は,2012(平成24)年度日本農芸化学会大会(開催地・京都)での「ジュニア農芸化学会」において金賞に選ばれた.植物が音楽の影響を受けて生育を変化させる可能性については昔から幾度となく話題にされ,クラシック音楽は良い効果を及ぼすというようなことが伝えられてきたが,科学的根拠を欠く事象として疑問視する声も多かった.本研究は,マカラスムギを材料に,発芽や初期生長に及ぼす音楽の影響を再検証するところからスタートしたものであるが,音楽を周波数の異なる音に分けて詳細に解析した点,糖代謝や呼吸といった植物体内の生理変化にまで踏み込んで解析した点,さらには実験結果に基づき独自の分子モデルを提唱した点,が高く評価された.
著者
伊佐次 優一 乾 淳幸 佐藤 優 廣瀬 健太 山田 拓実
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.679-683, 2020 (Released:2020-10-20)
参考文献数
20

〔目的〕変形性膝関節症患者の膝蓋骨周囲へ筋膜リリースを実施し,膝関節屈曲可動域および膝蓋下脂肪体(IFP)の厚みの変化を検討した.〔対象と方法〕対象は膝関節屈曲可動域制限を有する高齢女性の内側型変形性膝関節症患者25例(年齢は70.9 ± 9.9歳,OA gradeは2.1 ± 1.0)とした.評価方法は介入前後に殿踵間距離(HBD)を測定し,IFPの厚みは超音波画像による短軸像にて計測した.介入方法は膝蓋骨離開リリース,膝蓋骨上方・下方リリースを各3分間実施した.〔結果〕HBDは平均14.2 cmから10.1 cmと改善し,IFPの厚みは,平均21.6 mmから20.7 mmと減少した.〔結語〕膝蓋骨周囲への筋膜リリースはHBDの改善に有効であった.IFPの厚みの変化による臨床的意義に関しては,今後さらなる検討が必要である.
著者
北地 雄 原 辰成 佐藤 優史 重國 宏次 清藤 恭貴 古川 広明 原島 宏明
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.38, no.7, pp.481-488, 2011-12-20 (Released:2018-08-25)
参考文献数
54
被引用文献数
15

【目的】歩行は日常生活でもっとも使用される移動手段であり,高齢者では歩行能力と日常生活範囲に関係がある。歩行が自立することにより様々な利点があるため歩行自立の判断は根拠をもっておこなうことが必要である。本研究の目的は,初発の脳血管疾患後片麻痺を対象とし,歩行自立判断のためのカットオフ値を得ることである。【方法】回復期病棟に入院していた初発脳血管疾患後片麻痺者に対し,Timed Up and Go test(以下,TUG),麻痺側下肢荷重率(以下,荷重率),Functional Balance Scale(以下,FBS)を測定した。そして,これらの評価指標における歩行の自立を判断するカットオフ値を検討した。【結果】歩行自立のためのカットオフ値はTUG快適速度条件,TUG最大速度条件,荷重率,FBSでそれぞれ,21.6秒,15.6秒,0.70,45.5点であった。【結論】初発の脳血管疾患後片麻痺者の歩行自立を判断する際には,今回のカットオフ値により良好な判断が可能となる。
著者
木村 宏 佐藤 優子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.555-563, 2017-11-01 (Released:2017-11-01)
参考文献数
15

生物の遺伝情報はゲノムDNAに刻まれている。ゲノムDNAからいかにして必要な情報を必要に応じて取り出すことができるのか,という問題を解明できれば,生命現象の理解に大きく近づくことができる。遺伝子の発現制御には,DNAに直接結合する転写因子が必須であるが,ヒストンの翻訳後修飾を介したエピジェネティクス制御や細胞核内でのゲノム高次構造なども重要な役割を果たすことがわかってきた。そこで,最近,細胞核を包括的かつ時空間的に理解する「ヌクレオーム(Nucleome)」研究が注目を集めている。ヌクレオーム研究という視点に立ち,顕微鏡解析,ゲノム解析,情報・数理解析を融合させることで,ゲノムの発現制御機構を理解できると考えられている。ヌクレオーム研究は米国ですでに予算措置されている他,ヨーロッパでの動きや国際コンソーシアム発足に向けた活動も進んでいる。わが国でもヌクレオーム研究を推進することが生命科学の発展に重要であると考えられる。
著者
内田 さえ 志村 まゆら 佐藤 優子
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.555-566, 1999-12-01 (Released:2011-03-18)
参考文献数
48

人が生を受けて約10ケ月を過ごす子宮とはどの様な調節を受けているのだろうか。視床下部から分泌されるオキシトシンが子宮を収縮させ、分娩が起こる事実を始め、ホルモンによる子宮調節については良く知られている。一方子宮の神経性調節についての教科書への記載はほとんどなされて来ていない。近年ラットを用いた子宮の神経性調節に関する研究が大きく進んできた。これらの研究により、子宮の平滑筋や子宮の血流が自律神経の働きによって大きく変化することや子宮に関する情報が常時求心性神経を通って脳に伝えられる事実、さらに皮膚に加えた体性感覚刺激は自律神経を介して子宮の動きや血流を調節することができることなどが明らかになってきた。これらの研究成果は、鍼による産婦人科疾患への治療効果をある程度まで説明しうるものと思われる。
著者
内田 さえ 渡邊 一平 矢野 忠 佐藤 優子
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.27-51, 2004-02-01 (Released:2011-03-18)
参考文献数
66

脳機能および中枢神経疾患に対する鍼灸の効果と現状を総合テーマとして、当該領域のレビューを行った。基礎研究における動物実験のレビューでは、麻酔ラットへの鍼刺激による大脳皮質および海馬の血流量に及ぼす影響とその機序を中心に紹介した。ヒトを対象とした基礎研究のレビューでは、fMRI、脳磁気図、脳波 (事象関連電位) などを指標とした鍼の効果に関する知見が総括された。また、中枢神経疾患に対する鍼灸の効果に関するレビューについては、脳血管障害後後遺症に対する鍼治療の有効性について総括すると共に、痙性抑制あるいは廃用症候群の改善によるQOL向上の可能性についても考察した。
著者
佐藤 優希 町田 和梨 荒井 弘和
出版者
法政大学スポーツ研究センター
雑誌
法政大学スポーツ研究センター紀要 = BULLETIN OF Sports Research Center, HOSEI UNIVERSITY (ISSN:21879168)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.59-62, 2023-03-31

スポーツにおいてメンタルトレーニング(MT)をはじめとした心理面の強化は実力発揮のために必要不可欠である。国内では「スポーツメンタルトレーニング指導士」によって指導・普及活動が行われているが,MTの実施率は思うように高まっていない現状にある。本研究ではMTの実施率向上を図るためにトランスセオレティカル・モデルと呼ばれる理論の中心的な要素である「行動変容ステージ」を用いて調査をした。対象者の行動変容ステージの実態を把握することでそれぞれのステージに合わせた働きかけを検討できる。そこで本研究の目的は大学生アスリートを対象に,性別,競技種目および競技レベルという観点からMTの変容ステージについて検討し,MTの実施率を把握することであった。その結果,MTの行動変容ステージはそれぞれ前熟考期・熟考期は39人(12.62%),準備期は86人(27.83%),実行期・維持期は184人(59.55%)であり,約6割の者がMTを実施していることが明らかになった。また関心度について,また競技レベルで比較した結果,競技レベルの高いアスリートの方が競技レベルの低いアスリートに比較してMTの実施率が低いことが明らかになった。
著者
前原孝亮 佐藤優也 上野歩 中村亮太 上林憲行
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.209-211, 2015-03-17

就職活動の対策の中でも,企業研究はその方法を他者に評価される機会が少なく,学生の独善的な内容に陥りやすいという問題点が挙げられる.そこで本研究では,就職活動における学生の企業研究の促進を目的とした,『企業紹介バトル』による新たな企業紹介動画コンテンツの作成手法を提案する.本提案手法は,ビブリオバトルの推薦システムを取り入れた競争型の企業紹介セッションを実施することで,企業研究の成果を学生同士で相互評価し,相互作用を図るものである.作成された動画を就職活動前の学生が視聴した結果,新たに興味を持った企業について自分で調べるという,企業研究のきっかけにつながる行動を起こしていたことが確認できた.
著者
佐藤 優
出版者
文芸春秋
雑誌
文芸春秋
巻号頁・発行日
vol.84, no.9, pp.294-301, 2006-07
著者
佐藤 優也 原田 研介 酒田 信親 万 偉偉 ラミレス イクシェル
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.84, no.861, pp.17-00546-17-00546, 2018 (Released:2018-05-25)
参考文献数
19
被引用文献数
1

In this paper, we propose a novel two-stage approach on picking an object from randomly stacked pile. We especially consider a situation where it is difficult for a 3D depth sensor to identify the pose of objects such as shinny ones and black ones. For such objects, our method first roughly grasps some of the objects from the pile without using the visual information and roughly place them onto a working table. After some of the objects are placed on a working table, a robot picks one of them by detecting the 2D position of objects placed on a working table by using the 2D RGB image. We performed experiments for several objects with different shape and weight. Through experimental study, we confirmed that a robot can identify the position of one of the objects after the objects are placed on a working table and that one of the objects can be successfully picked up by a robot.
著者
佐藤 優介 角 薫
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第37回 (2023) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.2T6GS905, 2023 (Released:2023-07-10)

ゲームプレイヤーの腕前には個人差があるため,万人に満足してもらえるような難易度設定は難しく,不適当な難易度はゲームプレイヤーにとってストレスとなり,ゲームからの離脱を招く恐れがある.コンピュータがゲームプレイヤーのプレイ状況を分析し,適当な難易度に調整する動的難易度調整が注目されている.本研究では,生体センサを用いて,リアルタイムに情動の変化を推定し,リアルタイムに情動の変化を推定し,情動に合わせてゲームの難易度を自動的に調整することのできるゲームを開発した.皮膚電気活動や心拍数などの生体情報を用いて,ゲームプレイヤーのゲームプレイ中の不安や退屈といった情動を推定する際の指標になり得る生体情報を検討し,生体情報から情動を推定して動的難易度調整のパターンを比較し検証を行った.実験によって得られた結果から,ゲームシーンや難易度によって発現しやすい情動が異なることが明らかとなった.
著者
萬井 太規 宮城島 沙織 小塚 直樹 種田 健二 井上 貴博 佐藤 優衣 武田 賢太 浅賀 忠義
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.560-567, 2020 (Released:2020-12-18)
参考文献数
41

【目的】本研究の目的は,5 つの運動機能領域の側面から,3 ~10 歳の児の歩行能力の特徴を明らかにすることであった。【方法】3 ~10 歳の定型発達児76 名と14 名の若年成人を対象とし,小児群は2 歳毎に4 群に割りあてた。対象者は,6 m の直線歩行路を快適な速度で歩くように指示された。三次元動作解析システムにて,歩幅,歩隔,ステップ速度,ステップ時間,支持脚時間,および遊脚時間を算出した。変動係数とSymmetry Index も算出した。これら歩行変数を5 つの機能領域に分類した(歩調,時間因子,左右対称性,変動性,および安定性)。各変数を年代間で比較した。【結果】歩調,時間,および左右対称性は,7 歳から成人と有意差を認めなかった。一方,変動性と安定性は,全小児群と成人群に有意差を認めた。【結論】成人の値と同等の値に到達する年齢は変数により異なり,特に歩行の変動性や安定性の領域は発達が遅い。
著者
熊沢 賢二 庄司 靖隆 佐藤 優理 川島 大輝 馬場 良子
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
pp.NSKKK-D-23-00028, (Released:2023-06-08)

新鮮なシソの葉 (大葉) の香気寄与成分を探索し, ユニークな香調をもつtrans-1,2-dihydroperillaldehyde (DHP) をシソ新鮮葉の香気寄与成分として初めて同定した. さらに, 官能評価とPLS回帰分析による因果モデルの考察から, DHPが「さわやかなシソ感」を高め, さらに嗜好性の向上にも関与する重要な役割を担う香気成分である事を解明した.
著者
小野寺 康 佐藤 優子 佐藤 魁星 渡部 誠也 佐々木 信也
出版者
一般社団法人 日本トライボロジー学会
雑誌
トライボロジスト (ISSN:09151168)
巻号頁・発行日
pp.20-00011, (Released:2020-12-02)
参考文献数
21

Friction reduction by engine oil under low temperature as well as high temperature conditions are required because of the increasing number of hybrid vehicles where bulk oil temperature is low. Friction modifier (FM) technology to realize it is required. Friction performance of MoDTC, which works well at high temperature, used with adsorption type friction modifiers, which work well at low temperature, was investigated. Low molecular type, glycerol monooleate (GMO) inhibited friction reduction performance of MoDTC while polymer type FM showed little inhibition. Surface analysis indicated that the reaction film by MoDTC was not existed when the GMO was used together while it existed when it is used with polymer FM (PFM). The cause of the difference was studied by their adsorption performance examined by quartz crystal microbalance. GMO showed high adsorption density, while PFM showed low adsorption density compared to that of MoDTC. The result indicated that GMO competitively adsorbed on the surface, inhibiting the reaction film formation by MoDTC while polymer FM does not. The study indicated that use of the polymer FM with MoDTC is one of the solutions of FM design that works under both high and low temperature.
著者
小野寺 康 佐藤 優子 佐藤 魁星 渡部 誠也 佐々木 信也
出版者
一般社団法人 日本トライボロジー学会
雑誌
トライボロジスト (ISSN:09151168)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.77-85, 2021-01-15 (Released:2021-01-15)
参考文献数
21

Friction reduction by engine oil under low temperature as well as high temperature conditions are required because of the increasing number of hybrid vehicles where bulk oil temperature is low. Friction modifier (FM) technology to realize it is required. Friction performance of MoDTC, which works well at high temperature, used with adsorption type friction modifiers, which work well at low temperature, was investigated. Low molecular type, glycerol monooleate (GMO) inhibited friction reduction performance of MoDTC while polymer type FM showed little inhibition. Surface analysis indicated that the reaction film by MoDTC was not existed when the GMO was used together while it existed when it is used with polymer FM (PFM). The cause of the difference was studied by their adsorption performance examined by quartz crystal microbalance. GMO showed high adsorption density, while PFM showed low adsorption density compared to that of MoDTC. The result indicated that GMO competitively adsorbed on the surface, inhibiting the reaction film formation by MoDTC while polymer FM does not. The study indicated that use of the polymer FM with MoDTC is one of the solutions of FM design that works under both high and low temperature.