- 著者
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植木 敏晴
松村 圭一郎
丸尾 達
畑山 勝子
土居 雅宗
永山 林太郎
伊原 諒
野間 栄次郎
光安 智子
松井 敏幸
- 出版者
- 日本膵臓学会
- 雑誌
- 膵臓 (ISSN:09130071)
- 巻号頁・発行日
- vol.30, no.1, pp.116-122, 2015-02-25 (Released:2015-03-24)
- 参考文献数
- 18
- 被引用文献数
-
2
自己免疫性膵炎(autoimmune pancreatitis:AIP)の国際分類における2型(type 2)の頻度は,北アメリカ(14%)やヨーロッパ(13%)に比し,アジア(4%)では低値である.本邦における炎症性腸疾患に合併するtype 2 AIPは,国際調査によるtype 2 AIPと異なり,黄疸がなく,腹痛の頻度が高かった.膵頭部腫大例は約半数で,下部胆管狭窄例は10%程度であった.膵管狭細化は多くが全膵管の2/3以上の長さで,膵石の合併はなかった.炎症性腸疾患以外の膵外病変の頻度は低かった.ステロイド投与例は約半数で,約1/3が保存的に経過観察されていた.切除例は少なかった.本邦のtype 2 AIPは,膵のコア生検による十分な膵組織と,臨床医と病理医との緊密な連携によりさらに解明されるであろう.