- 著者
 
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             八尾 建史
             
             長浜 孝
             
             松井 敏幸
             
             岩下 明徳
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.53, no.3, pp.1063-1075, 2011 (Released:2011-06-14)
 
          
          
          - 参考文献数
 
          - 25
 
          
          
        
        
        
        光学的拡大機能を有する上部消化管電子内視鏡が早期胃癌診断に応用できるようになった.さらに狭帯域光観察narrow-band imaging(NBI)を胃拡大内視鏡観察に併用すると,さまざまな解剖学的構造が視覚化される.これらの新しい方法について内視鏡医が知っておく必要がある基本的な原理は,拡大倍率と分解能の違い,NBIの原理,胃における観察法・観察条件である.また,NBI併用拡大内視鏡を胃粘膜に応用した場合,何がどのように視覚化されるかを正確に理解しておく必要がある.具体的に視覚化される解剖学的構造は,微小血管構築像(V)については,上皮下の毛細血管・集合細静脈・病的な微小血管であり,表面微細構造(S)については,腺窩辺縁上皮・粘膜白色不透明物質である.筆者らは,NBI併用拡大内視鏡による早期胃癌の診断体系として,VとSの解剖学的構造を指標に用い,それぞれをregular/irregular/absentと分類し,一定の診断規準に当てはめて診断するVS classification systemを開発した.現在,さまざまな臨床応用が報告されているが,白色光拡大に加えNBI併用拡大内視鏡の有用性は充分に検討されているとは言い難く,現在進行中の研究結果を待ち再度評価する必要がある.