- 著者
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山本 哲夫
三枝 健二
有水 昇
国安 芳夫
伊東 久夫
- 出版者
- 公益社団法人 日本アイソトープ協会
- 雑誌
- RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
- 巻号頁・発行日
- vol.50, no.8, pp.331-342, 2001-08-15 (Released:2011-03-14)
- 参考文献数
- 13
千葉大学病院のホールボディカウンタを用いて, 405名の健常人と186名の患者を対象に, 全身カリウム (K) 量の測定を行った。全身K量は以下に示すレファレンス値として算出した。すなわち20歳代の健康人の全身K量を標準値とし, 体表面積で除し, かつ年齢と男女差を加味して補正し%表示した。405名の健常人のレファレンス値は100.65±9.22%であった。各疾患ごとのレファレンス値は以下のようになった。肝硬変: 94.24±11.22%, 慢性肝炎: 95.74±11.24%, 甲状腺機能亢進症: 99.37±10.8%, バーター症候群: 82.0±9.01%, 周期性四肢麻痺: 93.99±9.86%, 筋無力症: 97.34±6.42%, 低カリウム血症: 90.64±11.76%であった。また子宮癌, 乳癌, 貧血, 高血圧症ではそれぞれ, 97.78±11.5%, 99.22±8.88%, 96.64±12.73%, 98.5±9.63%となった。14例が75%以下の異常低値を示した。その内訳は肝硬変1例, 高血圧症3例, 糖尿病1例, 低カリウム血症3例, 周期性四肢麻痺1例, バーター症候群2例, 薬物中毒2例, 乳癌1例であった。バーター症候群の1例, 周期性四肢麻痺の3例, 高血圧症2例, 肝硬変1例, 筋無力症1例では, 経時的に全身K量が測定され, 病状の経過との間に関連が見られた。