著者
山田 雅行 伊藤 佳洋 長尾 毅 野津 厚 長坂 陽介 大岩根 尚
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.I_691-I_699, 2016 (Released:2016-05-20)
参考文献数
22
被引用文献数
1

比較的小さな盆地構造(カルデラ)を有する薩摩硫黄島において,臨時地震観測によってサイト増幅特性の算定を行い,一方で,常時微動観測(単点H/Vおよびアレイ観測)を行い,地盤モデルの推定を行った.硫黄島港および薩摩硫黄島飛行場において算定したサイト増幅特性と,常時微動に基づく地盤モデルに対して一次元重複反射を用いて算定した伝達関数の比較を行った.港湾および飛行場の伝達関数は,0.2~0.3Hz付近にピークは見られるものの,それほど明瞭なピークは見られず,サイト増幅特性には盆地構造による3次元的な効果や,地震波の入射方向の効果が含まれているものと考えられる.また,港湾と飛行場のサイト増幅特性の0.2~0.3Hz付近の共通の特徴から,両地点は深い構造を共有していると推察され,実際のカルデラ構造が従来の解釈より複雑である可能性が示唆された.
著者
伊藤 佳洋 山田 雅行 岡部 登 野津 厚 長尾 毅 高橋 宏彰 水谷 亮祐
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.I_401-I_407, 2015 (Released:2015-09-25)
参考文献数
30

海溝型巨大地震による強震動の波形,スペクトルなどを高精度で再現できる震源モデルとして野津らによりSPGAモデルが開発されている.このモデルで歴史地震の震度データを満足するように震源モデルの作成を行えば,歴史地震の再来を想定した被害予測などに適用することが可能となると考えられる. そこで本研究では,1703年元禄関東地震の実際の震度分布と整合するようなSPGAモデルを作成することを試みた.SPGAの位置,パラメータを,実際の震度と計算結果の震度の相関を見ながら選定した結果,概ね震度分布と整合するSPGAモデルを設定することができた.