著者
伊藤 正典 畠山 収一 久慈 一英 宮内 勉 森 保人 伊藤 利之 北野 博嗣 泊 康男
出版者
社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析療法学会雑誌 (ISSN:09115889)
巻号頁・発行日
vol.26, no.11, pp.1709-1713, 1993-11-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
13

胃異所性石灰化を合併した長期血液透析患者の1例を経験したので, 臨床所見と合わせ報告する.症例は49歳, 男性. 18年の血液透析歴をもつ長期透析患者であった. 心窩部痛の訴えがあり, 胃内視鏡を行ったところ, びらん性胃炎と診断された. さらに, 生検標本にて, 胃粘膜内に石灰化が認められ, 異所性石灰化と診断された. 骨シンチグラムでも, 胃に集積がみられた. 胃運動機能を評価する目的で, 胃排出時間を測定したが, 固形食, 液体食ともに遅延は認められなかった.臓器異所性石灰化は, 尿毒症の合併症のひとつと考えられるが, 胃異所性石灰化の臨床的意義について, これまで言及した報告はない. 本例では, 内視鏡検査では出血を伴った胃粘膜のびらんが認められた. また, 胃排出時間を検討した結果では胃運動機能は障害されていなかった. しかし, この点に関しては, さらに経過観察が必要と思われる.
著者
善木 道雄 伊藤 利之 桐栄 恭二
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.T89-T92, 1990-06-05
被引用文献数
1 5

市販のリンゴ酸及びアップル飲料中に含まれるフマル酸についてUV検出器を使用したHPLCで定量する方法について検討した.分離カラムとしてTSK-gel, ODS120Aを使用し, 移動相としては0.1M過塩素酸ナトリウム, 0.01Mリン酸二水素メトリウム(pH2.6)を用い, 210nmで検出した.フマル酸5.0×10^-7〜2.0×10^-5Mの範囲で検量線は直線を示し, 4.0×10^-6,1.0×10^-5Mの5回繰り返しによる相対標準偏差は, それぞれ0.35,0.19%であった.又この方法によるフマル酸の定量限界(S/N=2)は2.0×10^-7M程度であり, リンゴ酸及びアップル飲料の回収率は98.2〜104.5%であった.本法を市販リンゴ酸及びアップル飲料18種の定量に応用した.