著者
伊藤 博道 加藤 昭紀 野崎 礼史 淀縄 聡 小川 功
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 = The journal of the Japan Surgical Association (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.69, no.7, pp.1651-1654, 2008-07-25
参考文献数
10
被引用文献数
2 3

症例は72歳,男性.咳嗽・右鼠径部膨隆を主訴に来院.右鼠径ヘルニアの診断にて根治術施行時に認めた腹水の細胞診から非小細胞癌が検出され,癌性腹膜炎と判明した.精査にて左肺を原発とするStageIVの非小細胞肺癌と診断された.カルボプラチンおよびパクリタキセルの化学療法を1コース施行し,原発巣は縮小したが,11日目から腹痛が出現し腹部X線にてfree airを認め,消化管穿孔による汎発性腹膜炎を疑い同日開腹手術を施行した.上部空腸にφ3×2cm大の転移巣を認め,その中心が壊死・穿孔していた.他にも3箇所小腸転移巣を認め,その転移巣も含めた小腸部分切除術を施行した.術後に化学療法再開予定であったが,肺病変の進行により全身状態が増悪して18病日に死亡した.肺癌の小腸転移例はしばしば認められるが穿孔例は少ない.腹腔内転移を伴う肺癌の治療中は,消化管穿孔の可能性を念頭において慎重に経過観察する必要がある.
著者
白石 公彦 伊藤 博道 沢田 征洋 白地 孝 溝口 実 川野 芳郎 松本 博 安倍 弘彦 谷川 久一
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.656-662, 1982-06-25 (Released:2009-07-09)
参考文献数
20

69歳男性,上腸間膜動脈血栓症のため広範囲小腸切除術を受け約6ヵ月後退院したが,術後9ヵ月を経過した時点で体重減少および全身倦怠感を主訴として当科入院となった.入院時軽度の黄疸および下肢の浮腫を認め,圧痛を有する軟らかな肝を右肋骨弓下一横指触知した.臨床検査より消化吸収障害を示唆する所見が得られ,肝生検にて著明な脂肪肝が認められ,またMallory体も散見された.患者は約2年6ヵ月前より断酒しており,低栄養により脂肪肝を来たしたと思われた.入院後も患者の栄養状態は徐々に悪化し,12ヵ月後に嚥下性肺炎のため死亡した.剖検肝組織に於ては肝生検時に比して脂肪変性は軽減し,Mallory体は増加して見られた.
著者
伊藤 博道
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (医学) 学位論文・平成24年4月30日授与 (甲第6281号)
著者
伊藤 博道
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (医学) 学位論文・平成24年4月30日授与 (甲第6281号)