著者
西垣 泰幸 伊藤 敏和 寺田 宏洲 西本 秀樹 新井 潤 佐竹 光彦
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

複素ロジスティック方程式の解の大域的構造の研究と、その成果を応用し経済データに潜む複雑な動態を解明するとともに、複雑系経済モデルや、複雑系の時系列分析を改善した。具体的には、複素ロジスティック方程式の応用により、(1)「新S-カーブ理論」の構築、(2)新しい複雑系経済モデルの構築と政策的含意の研究、(3)n次元リミットサイクルの複雑系経済モデルへの応用と政策的含意の研究、(4)複素ロジスティック微分方程式を基礎とする計量研究を行った。
著者
西垣 泰幸 伊藤 敏和 佐竹 光彦 寺田 宏洲 西本 秀樹
出版者
龍谷大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

西垣と佐竹は、日本の景気循環がカオス理論により説明できるかどうかを実証的に検証するため、日本のGDPデータを用い低次元の決定論的な周期を検出するための「残差診断法」を適用し分析をおこなった。この成果は、2007年8月の国際会議(10^<th> International Conference of the Society of Global Business and Economic Development)において報告する予定である。さらに、設備投資、株価、株価収益率などの複雑な循環的振動を示す時系列データを用いて、複雑性の実証分析を進めた。これらの成果は、順次論文として取りまとめ、今後、学会・国際会議等で報告する予定である。寺田、西垣、伊藤は、複素ロジスティック方程式の経済学への応用に関する成果("An application of complex logistic equation to economics")を再検討したうえで、第63回日本経済政策学会、および、第11回差分方程式とその応用国際会議(11^<th> International Conference on Difference Equations and Applications)において報告した。さらに、複素ロジスティック方程式の一層の応用研究として、粗鋼などの鉱工業生産データ、金融・実物資産などの資産ストックデータ、工業製品普及率などのデータを解析し、シミュレーション研究を進めた。寺田は、ケインジアン動学を線型ではなく非線形動学として分析するために、(1)リエナール微分方程式、(2)ファン・デル・ポール微分方程式の数学的特性の研究に特化した。この成果は、今後、学術雑誌に発表するとともに国際会議(10^<th> International Conference of the Society of Global Business and Economic Development)において報告する予定である。伊藤は、B.Scardua教授との共同研究で、CP(n)上の線型双曲線ベクトル場の幾何学的特徴づけをした。また、フランスの数学研究所CIRMで開催された国際会議「Dynamical Integrability」(2006年11月27-12月1日)で研究報告をした。