著者
伊賀 聡一郎 伊藤英一 安村 通晃
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.12, pp.49-54, 2000-01-28
被引用文献数
7

本稿では、呼気・吸気を利用して計算機とインタラクションできるKirifukiシステムを提案する。システムはワークステーション、ブレスマイクスイッチ、ポヒマス磁気センサーから構成され、ユーザはマイクスイッチと磁気センサーを頭部に装着する。ユーザは頭部を動かして計算機のマウスポインターを操作する。そして、マイクスイッチに向かって「吹いたり」「吸ったり」することによって視覚的なオブジェクトを操作したり、コマンドを実行したりできる。ウィンドウの移動、拡大・縮小、アイコンのカット&ペーストなどを呼気と吸気によって行なうことができる。さらに、本手法をお絵書きツールや楽器操作のためのインタフェースにも応用したことを報告する。This paper proposes a novel system called "Kirifuki". Kirifuki has the ability of controlling GUI objects by applying breathing. The system consists of a work station (SGI Indigo2), a breath microphone switch, and a polhemus sensor. The user wears a head set device with a breath microphone switch and a polhemus sensor. The user can control a mouse pointer by his or her head, and he can manipulate GUI objects such as windows or icons when he breathes in or out to the microphone switch.
著者
伊藤英一 大橋 正洋 飯塚慎司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.88, pp.9-16, 1995-09-14

頚髄損傷による四肢麻痺者は運動機能のみならず、上肢の感覚機能にも障害を有する。そのため、高い巧緻性を必要とするマウス操作が困難となる場合が多い。そこで、感覚の無い手指やスティックによりポインティング操作を行なうためマウスの代替装置を利用する。しかし、キー操作などによる代替装置では失われた感覚機能を視覚により代替することが必要であり、マウスポインタに集中するべき視線が頻回に移動せざるを得ない。そこで、キーボードなどによる選択や押し替えの必要な方法ではなく、上肢の位置に影響されず、粗大な運動によって二次元の方向を示すことが可能なポインティングデバイスを考案・試作し、評価実験を行なった。Quadriplegics cannot operate the mouse because of paralyzed hand's motor and sensory function. When they use the mouse emulators by keyboard operation or switch operation, they have to move line of sight from the display to the keyboard quite frequently. We developed a pointing device that is not infruenced by position of the upper limb and can operate with limited motor function. This pointing device, "Magic Wand" can reduce excessive line of sight movement when quadriplegics are accessing the computers.