著者
伊豆津 宏二
出版者
一般社団法人 日本造血・免疫細胞療法学会
雑誌
日本造血・免疫細胞療法学会雑誌 (ISSN:2436455X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.140-147, 2022 (Released:2022-07-15)
参考文献数
50

悪性リンパ腫に対する造血幹細胞移植は,主に再発・難治例や,予後不良な疾患の未治療例に対する予後改善を期待して行われる。しかし,その位置づけは新規治療薬の導入により変わりうるものである。化学療法感受性の再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対する自家造血幹細胞移植併用大量化学療法(自家移植)は,ランダム化第3相試験が根拠となって行われてきた。晩期再発例では,今でも有用性が高いが,早期再発例では救援化学療法が奏効せず自家移植に進めない可能性が高い。今後,このような患者では従来の救援療法がCAR-T細胞療法に置き換わっていく可能性がある。同種移植は,DLBCLや古典的ホジキンリンパ腫(cHL)のサードライン以降の治療選択肢であったが,DLBCLにおいてはCAR-T細胞療法の導入により同種移植の役割は低下しつつある。cHLにおいては抗PD-1抗体後の同種移植で免疫関連移植合併症のリスクが高くなることが指摘されている。

1 0 0 0 OA 2.画像診断

著者
伊豆津 宏二
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.7, pp.1794-1800, 2011 (Released:2013-04-10)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

悪性リンパ腫の発見,病期診断,治療効果判定,経過観察において画像検査は必要不可欠である.computed tomography(CT)が今でも最も頻用される画像検査であるが,18F-fluorodeoxyglucose(FDG)を核種として用いるpositron emission tomography(PET)の利用も一般的となってきた.PETは病期診断時に網羅的に病変を把握する際に有利であるだけでなく,治療終了時の残存腫瘤のviabilityの判断にも用いられている.