著者
但木 孝一
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.11, pp.1391-1397, 2008
被引用文献数
3

近年の抄紙マシンの高速化,中性化等の影響でウエットエンドの最適化は,大変重要になってきている。特に大きな問題として古紙に由来するピッチ成分やアニオントラッシュ等の夾雑物による抄紙マシンの汚れトラブルの増加が顕著になっている。また填料の高配合化の影響により歩留りが大きく低下し,操業上問題が生じるケースも増えている。このように抄紙条件は,年々厳しさを増しており,ウエットエンドでの各種添加薬剤の本来の効果を発揮するのが難しくなっている。<BR>弊社では,厳しい抄紙条件下で各種添加薬剤の効果を最大限に引き出すために高機能化した凝結剤として,「リアライザーAシリーズ」を開発してきた。更に微細繊維や灰分の歩留りに効果的な高機能歩留り剤「リアライザーRシリーズ」,「レクサーFXシリーズ」の開発にも最新のポリマー合成技術を導入して取り組んできた。これらの薬剤から構成されるウエットエンド改質システムが「アクシーズシステム」である。今回は,この「アクシーズシステム」による抄紙マシンの汚れトラブルの低減や歩留り,濾水性等のウエットエンド物性の向上について報告する。
著者
但木 孝一 朝田 知子 川上 秀明 春日 一孝 黒瀬 茂
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.8, pp.941-948, 2008-08-01

近年の抄紙マシン汚れの原因は,原料事情の悪化や中性抄紙化等の影響で大きく変化してきている。中でもDIP等の古紙の高配合化による抄紙マシン系内への多量の夾雑物の混入は,汚れトラブルの大きな要因になっている。そして抄紙マシンの操業性・生産性向上のためには,この汚れ対策が重要なポイントになっている。<BR>これまで弊社では,抄紙マシンの汚れについて化学的,微生物的な分析手法を用い原因物質を特定し,同時に対応薬剤の選定を迅速に行なってきた。古紙由来の疎水性ピッチに対して有効な高機能凝結剤として開発を続けている「リアライザーAシリーズ」と繊維及び填料等の微細成分の歩留り向上に有効な高機能歩留り剤「リアライザーRシリーズ」,「レクサーFXシリーズ」の組み合わせからなるウエットエンド改質システム「アクシーズシステム」は多くのマシンで使用され効果を発揮している。また昨年発表した次世代型ASAサイジングシステム「レグシス」によるサイズ剤定着性の向上は,ウエットエンドの最適化と同時に抄紙マシンの汚れ対策の面で大変重要な役割を果たす。更に上記システムに新規微生物コントロールシステム「キュアサイドシステム」を組み合わせることにより化学的・微生物的両面から抄紙マシンの汚れ対策を大きく改善できる。
著者
大石 浩之 但木 孝一 春日 一孝 藤田 幸裕
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.142-149, 2014
被引用文献数
1

近年,抄紙マシンのクローズド化やパルプ原料の悪化等のため,各種内添薬剤の効果が発揮しにくい状況へ変化してきている。特に古紙や填料の高配合化で歩留り剤,紙力剤,サイズ剤等の各種ウエットエンド薬剤の添加量が増え,抄紙マシンの汚れや紙面欠陥の問題を抱えるマシンが増加している。<BR>弊社で開発を進めてきた「リアライザーAシリーズ」は,粘着性ピッチや紙面欠陥対策等に有効な高機能凝結剤で,パルプ原料の前処理段階に適用する特殊なカチオン性ポリマーである。また高機能歩留り剤「リアライザーRシリーズ,FXシリーズ」は低添加で高い歩留り物性が得られる様々な構造を有する高分子量特殊ポリマーとなっている。<BR>現在,これらの薬剤を組み合わせて添加する次世代ウエットエンド改質システムを「アクシーズシステム」と命名し,更なる抄紙マシンの操業性,生産性向上のためのテストを実施している。<BR>本報告では,アクシーズシステムを適用した板紙マシンや洋紙マシンでの歩留り物性の向上及び欠陥数低減や紙質向上等の例を報告する。
著者
但木 孝一 朝田 知子 春日 一孝
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.10, pp.1159-1163, 2009
被引用文献数
4

近年の抄紙マシンは大型化,高速化等が進む中で省エネ,省資源化が重要な課題になっている。これまで弊社では,ウエットエンドを最適化することにより抄紙マシンの汚れ低減や操業性の向上等に有効な歩留り剤や凝結剤「リアライザーシリーズ」の開発を続けてきた。これらの試みの中でウエットエンド改質システム「アクシーズシステム」を適用することにより各種ウエットエンド薬剤の添加量を削減できる点や排水負荷を低減できる点等,環境負荷低減につながる効果が見出してきた。<BR>また最新のASAサイジングシステム「レグシス」の開発によりサイズ剤等の添加量の大幅な削減を目指している。高機能乳化剤「レグシスEシリーズ」を適用することにより,各種添加薬剤のパルプ繊維への定着性を向上させ,サイズ効果以外の面でも効果を発揮できるように開発を進めている。弊社では,環境負荷低減に重きを置いた薬剤を開発し,様々な角度からテストを実施している。
著者
但木 孝一
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.10, pp.1108-1116, 2014
被引用文献数
1

「アクシーズシステム」は2001年に上市以来,多くの抄紙マシンに採用され,従来の歩留り向上システムを大きく改善してきた。中でも微細繊維及び灰分歩留りを大きく向上可能な「リアライザーRシリーズ」は洋紙マシン,板紙マシン問わず幅広い抄紙マシンへの適用が進んでいる。<BR>ここでは「リアライザーRシリーズ,FXシリーズ」,「リアライザーAシリーズ」の開発経緯とそれらの添加によって生産性,操業性及び紙品質向上を達成してきた事例を紹介していく。<BR>近年では,パルプ原料の悪化等が原因で各種ウエットエンド薬剤の添加量が増加する傾向が見られる。そのため抄紙マシンのウエットエンド状態が大きく変化して各種薬剤の効果も発揮し難い状態になってきている。同時に紙面欠陥による紙品質の低下やピッチ等のマシン汚れトラブルも増加傾向が見られる。<BR>そこで弊社では,厳しい抄紙条件下で各種ウエットエンド薬剤の本来の効果を最大限発揮させるためのウエットエンド改質システム「アクシーズシステム」を開発してきた。「リアライザーAシリーズ」は,パルプ原料の高濃度紙料段階に適用する特殊なカチオン性ポリマーであり,粘着性ピッチや紙面欠陥対策等に有効な高機能凝結剤である。また高機能歩留り剤「リアライザーRシリーズ,FXシリーズ」は特殊な構造を有する高分子量ポリマーであり,低添加で高い歩留り物性が得られる。これらの薬剤は,組み合わせて最適なシステムを構築可能であり,且つ各薬剤が単独で効果を発揮できる点が最大の特徴である。