著者
住谷 司 亀田 能成 大田 友一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.363, pp.81-86, 2008-12-11

本論文では,撮影画像中のSIFT keyを元に,その撮影対象空間の三次元情報を陽に求めることなく,画像上で撮影対象空間の重複度合を定量化する手法について提案する.撮影対象空間の重複度合解析は,多カメラでの空間モニタリングにおける重要な課題の一つである.モニタリングでは観察方向が重要な情報なので,撮影対象空間の重複度合いは,空間自体の重なりだけでなく,各カメラの視線方向も考慮して定量化されなければならない.本研究では,移動カメラであれ,固定カメラであれ,同一空間内で撮影しているカメラが同一方向から重複して撮影している部分空間を計測対象とし,その見かけの大きさを定量化する.本稿では重複する部分空間を検出するためにSIFT keyを用い,各画像で共起して発生するSIFT key集合を求め,撮影対象空間の重複度合いを画像上でのSIFT key集合の外接矩形で定義する.特に,移動カメラのように画像間に時間的連続性が期待できる場合は,まずSIFT keyの追跡を行い,一定期間以上追跡ができたSIFT key集合に基づいて重複度合いを求める.このSIFT key追跡のために,フレーム間での近傍拘束を導入する.実験により,移動カメラが固定カメラの近傍を通る様子を定量化できることを示す.