著者
黒田 栄喜 王 大超 西 政佳 坂本 甚五郎 佐川 了
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会東北支部会報 (ISSN:09117067)
巻号頁・発行日
no.51, pp.9-10, 2008-12-20

最近、一般品種よりも胚芽重が約2倍程度大きい巨大胚芽品種や良質良食味で直播適性の高い品種が育成され、コメの用途拡大や低コスト化に貢献することが期待されている。寒冷地向け巨大胚芽米品種として「恋あずさ」、また、倒れにくく直播向けの多収性品種として「萌えみのり」が品種登録された。本研究では、1980年代後半以降当地方の主要な普及品種である「あきたこまち」を基準品種として、「恋あずさ」および「萌えみのり」の生育特性および乾物生産特性について比較検討した。水稲。
著者
熊谷 成子 佐川 了 星野 次汪
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.84, no.11, pp.1068-1072, 2009-11
被引用文献数
1

雑穀の定義にもよるが、雑穀は世界中で20種類ほどが栽培されている。雑穀の栽培の歴史は古く、世界中の人々にとって、食料、油料、アルコール用、行事食用などとして雑穀は生活の中で重要な役割を果たしてきた。戦前までの日本では、雑穀が畑作や輪作体系の中で重要な位置を占め、地域によっては主食として、あるいは地域固有の食文化資源作物として利用され、現在でも伝統祭事などと強く結びついている。しかし、戦後の日本では、雑穀はコメやムギと異なり主要食料ではないため、研究対象となることは希で、最近まで雑穀に陽が当たることは少なかった。そのため、現在栽培される多くの雑穀は在来系統で、長稈種が多く、脱粒しやすく、多肥栽培や機械化には不向きで、収量が低い。しかし、雑穀は、世界規模での主穀の大量生産、大量消費とは対極にあることから、地域に根ざした高付加価値作物ともいえる。最近では食の多様化や雑穀のもつ有用成分に注目が集まり、雑穀ブームを迎えている。現在の雑穀に対する国民の信頼に応え、健康食への追い風を定着させるためにも、研究から生産、流通、加工、販売、調理までの一連の態勢確立が早急に求められる。そこで、本稿では雑穀などの用語に注目し、その生産の現状を考察し、問題点を整理してみたい。