著者
佐藤 博隆
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.449-462, 2012 (Released:2012-08-28)
参考文献数
27
被引用文献数
1

パルス中性子イメージングでは,材料を透過してきた中性子の波長依存スペクトルを位置ごとに測定する。透過スペクトルの低エネルギー領域には,ブラッグエッジと呼ばれる特徴的パターンが現れる。ブラッグエッジには結晶構造・結晶相・集合組織・結晶子サイズ・ひずみといった各種結晶組織構造情報が含まれているため,本手法によりこれら構造情報を広範囲にわたって非破壊的に可視化することが可能となる。本稿では,新しいマテリアル解析ツールとして期待されているブラッグエッジイメージングの原理と特徴,測定例について紹介する。
著者
鬼柳 善明 加美山 隆 古坂 道弘 宇野 彰二 持木 幸一 篠原 武尚 木野 幸一 佐藤 博隆 長谷美 宏幸 甲斐 哲也 塩田 佳徳 岩瀬 謙二 矢代 航 大竹 淑恵
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-04-01

パルス中性子源を用いたエネルギー分析型透過イメージング法の高度化と応用分野の拡大を行った。まず、解析コードを改良し、焼き入れ鉄のマルテンサイト相、日本刀や新材料の結晶組織構造情報の分布を得、硬さ分布の非破壊測定法を見いだした。さらに、CT法の開発を行った。水素貯蔵合金への適応可能性を示すとともに、小角散乱イメージング法を開発し、共鳴吸収スペクトルの定量解析を可能とした。磁気イメージング法の定量性の評価と磁性薄膜への応用、さらに、世界初のパルス中性子による位相コントラスト測定を成功させた。また、高計数率2次元検出器やカメラタイプで短時間チャンネル飛行時間測定ができる検出器の開発に成功した。