著者
ケリー W.W. 宮原 かおる 杉本 厚夫
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.1-12,146, 2003-03-21 (Released:2011-05-30)
参考文献数
16
被引用文献数
2

この論文は、近代スポーツに潜む深遠なアイロニーについて論じる。それは、スポーツ場面において、われわれの多くがしばしば経験する勝利ではなく負けについて、あるいは成功を味わうことではなく、敗北に直面することについてである。勝利の満足ではなく敗北の失望は、プレーヤーにも観客にも共通している。本論では負けることに関して大まかに3つのタイプに分ける。ひとつは絶えず必要に産み出される敗者のような「日常的な敗北」、そして、解雇、放出、辞職といったような完全な失敗としての「致命的敗北」、さらに前二者の中間にあって、負けを繰り返す「反復的敗北」である。反復的敗北は受け入れることと説明することが最も難しい敗北である。地域の絶大なる人気を誇るが負けてばっかりの大阪プロ野球チーム、阪神タイガースを事例として、プレーヤーとファンが如何にして反復的な敗北を捉え、調整して、そして受け入れるのかを、いくつかの要因によって分析する。これらの要因には、多くのスポーツに共通の要因、スポーツとしての野球に特有な要素、日本の野球に特有な要因と阪神タイガースに特有の言いわけを含む。著者は苦々しい敗北という結果にもかかわらず、人々はプレーし続け、また見続けるという文化的に屈曲させられた言いわけと構造的なパターンのセットを識別しなくてはならないと考える。そして、さまざまな場面で「敗北の論理」は単一の要因によって説明されるものではなく、複合的なモデルによって説明されるものなのである。
著者
山下 勝 篠原 かおる 辻 智子 岸本 正直 大森 孝一
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.95, no.7, pp.673-677, 2002-07-01 (Released:2011-11-04)
参考文献数
11
被引用文献数
4 3

We treated 265 patients (270 ears) with idiopathic sudden deafness by intravenous corticosteroid hormone administration. Complete recovery occurred in 31% of patients, definite improvement in 17%, slight improvement in 19%, and no improvement in 33%. Prognostic factors for better hearing were as follows: younger age, absence of vestibular symptoms, hearing loss configuration without high tone impairment, mild initial hearing loss, and early initial treatment after onset. In the past 10 years, only three reports analyzing more than 200 patients were found in the Japanese literature. All papers reported complete recovery in approximately 30%.
著者
李 相穆 増田 真理子 前原 かおる 菊地 康人
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.64-65, 2009-03-21

This paper will introduce a web-based learning system developed to support the learning of Japanese notation. While directing the learner to the correct character string, the materials provide effective feedback on the word or word portion that the learner entered based on the illustration or audio provided. Through this, it supports self-directed, conscious learning. The system is also responsive to a wide range of learning, such as for vocabulary, dictation, verb conjugation, and Kanji readings. Further, it allows the learner to freely set the presentation of questions to fit with their goals and level.
著者
前原 かおる 増田 真理子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,非漢字圏漢字学習者が,「漢字」と「学習者」それぞれの要因の特性にかかわらず効果的に漢字学習ができるための内容・方法の開発を行った。具体的には(1)音声付のタスクを含むオンライン型漢字学習教材「Step Up Kanji-500」の開発,(2)漢字の体系(字源,字形パターン,漢語の語構成,など)に関する学習教材の開発,(3)(1)(2)を活用した教室活動を行うための補助教材の整備と実践を行った。これらにより,学習段階,認知スタイル,学習スタイル等の異なる非漢字圏学習者からなるコース運営がより効率的に実現できるようになったほか,漢字圏学習者に対する教育内容の改善にも及んだ。