著者
佐藤 太裕 谷垣 俊行 佐藤 諭佳 島 弘幸 井上 昭夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A2(応用力学) (ISSN:21854661)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.I_25-I_34, 2016 (Released:2017-01-29)
参考文献数
26
被引用文献数
1 5

自然界に生息するタケは中空円筒であり,かつ節と組織構造を有する植物である.これは適者生存の厳しい環境下でできるだけ強く,高く生育するためにタケ自身が進化の過程で獲得してきた形態であり,力学的に極めて高い合理性を有すると考えられる.本研究は,タケの生態を構造力学的に紐解き,節配置の高さ方向分布と維管束の横断面内分布の不均一性が織り成す力学的優位性を実証するものである.この研究により,曲げを受けるタケの節配置による断面偏平抑制効果を剛性に関する異方性を考慮した無次元パラメータにより記述し,タケが外力により生じる曲げモーメント分布に合わせて断面偏平を効率的に抑制していること,また横断面内維管束分布は曲げ剛性を高めるように効果的に配置されていることが初めて理論的に示された.
著者
佐藤 太裕 蟹江 俊仁 島 弘幸
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では自動車が走行した際に未舗装路に生じる「波状起伏現象」、および積雪・凍結路面特有のこぶ状の起伏、いわゆる「そろばん道路」について、その発生メカニズムを独自に考案した科学的アプローチにより解明することを目的とした挑戦的研究である。実験・理論・計測の三方向から現象の根源に迫り、成果報告書に後述するいくつかの興味深い知見を得ることができた。