著者
櫻本 秀明 卯野木 健 白坂 雅子 田本 光拡 佐藤 智夫 大内 玲 佐土根 岳 藤谷 茂樹
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.429-432, 2020-09-01 (Released:2020-09-01)
参考文献数
3

鎮静・鎮痛・せん妄・睡眠管理およびICU diaryに関する実践を明らかにすることを目的に,Webアンケートによる実態調査を実施した。ICU/high care unit(HCU)看護師からの227件の回答を分析し,鎮静目標が明確な施設は66.1%,目標鎮静設定を毎日見直すは22.9%であった。ほぼ全ての施設で定期的に鎮静評価が行われていた。客観的疼痛評価はbehavioral pain scale(BPS)37.4%,critical-care pain observation tool(CPOT)38.3%で行われていた。せん妄評価ツールを全く使用していない施設は13.7%にとどまった。睡眠促進は,明るさの調整(84.6%),モニター音の調整(48.5%)であった。ICU diaryを全く使用していない施設は77.5%に上った。重症患者に対する鎮静・鎮痛・せん妄評価,睡眠の促進は広く普及しつつあるが,ICU diaryも含めるといまだ十分とはいえず,今後も適切な普及に組織的に取り組む必要性が示唆された。
著者
間瀬 久康 佐藤 智夫 宮崎 保光
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.149-154, 1993-01-25
被引用文献数
2

レーザ走査型膜電位計測装置を試作し,コイ心室活動電位を4点より計測し,ガラス微小電極による計測と比較した.膜電位感受性色素として膜電位変化により蛍光放射強度を変化させるWW781を用いた.WW781を0.1mg/mlの割合で生理食塩水に溶解した染色液で,コイより摘出した心室を20分間染色した.光源としてHe-Neレーザ(λe=632.8nm,1.0mW)を用い,音響光学偏向器で1次元のビーム走査を行った.染色後の心室表面にレーザ光を照射し,膜電位感受性色素より生じる蛍光放射強度を1.0msごとに計測した.心室表面上のビームスポット間隔は1.0mmであった.蛍光の受光はホトダイオードで行い,励起光の反射と蛍光の分離は,シャープカットフィルタで行った.活動電位の立上りにおいて,蛍光放射強度は5%程度増加した.最も離れた2点間において,蛍光放射の増加開始時刻に4msの差があった.この時間差はガラス微小電極による計測結果と同程度であった.