著者
安齋 正人 福田 正宏 國木田 大 辻 誠一郎 髙橋 龍三郎 佐藤 宏之 佐藤 由紀男 北野 博司 熊木 俊朗 蛯原 一平 菅野 智則
出版者
東北芸術工科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

数度にわたる完新世の気候寒冷化とその後の急激な回復(ボンド・イベント:約8200年前、約5800年前、約4300年前、約2800年前のピーク)と、縄紋土器の放射性炭素(14C)年代測定値の暦年較正年代とを対比させた結果、それぞれの気候変動が、草創期の終末/早期の初頭、早期後葉/前期初頭、前期後葉/中期初頭、中期後葉/後期初頭、晩期後葉/弥生初頭に対応することがわかった。とくに約8200年前のピークである8.2kaイベントの影響は、定住・集住集落の解体と遊動化、そして再定住化という居住パターンの変化として、列島各地の考古資料に明瞭に記録されている。
著者
佐藤 由紀男
出版者
岩手大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

北海道苫小牧市タプコプ遺跡出土鉄器が紀元前2世紀の所産であり、かつ刃器であることが確認された。また北海道では、この時期の骨角器に鉄器による加工痕が確認された。鹿の角などの硬い素材の加工道具として鉄器が用いられたのである。こうした鉄器は、船を利用した日本海側の交易・流通で西日本から搬入されたものである。東北北部もその経由地の一つである。現時点では未確認であるが同じ時期の東北北部にも同様の鉄器が存在したと考えられる。