- 著者
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西原 一秀
後藤 尊広
宮本 昇
佐藤 範幸
- 出版者
- 一般社団法人 日本口蓋裂学会
- 雑誌
- 日本口蓋裂学会雑誌 (ISSN:03865185)
- 巻号頁・発行日
- vol.46, no.1, pp.33-40, 2021
2011年から2019年までの9年間に琉球大学病院歯科口腔外科を受診した口唇裂・口蓋裂一次症例183名について臨床統計学的解析を行った。また,2014年から開始した産科の往診システムの効果を検討し,以下の結果を得た。<br>1.9年間に当科を受診した一次症例は183名であった。<br>2.裂型別患者数では183名中,口唇(顎)裂が82名(44.8%),口唇口蓋裂が59名(32.2%),口蓋裂が42名(23.0%)であった。<br>3.男女比は,男性92名,女性91名で1.01:1とほぼ同数であった。<br>4.初診時年齢は,61名(33.3%)が生後7日未満に受診していた。<br>5.出生時体重は,平均2,978.4gで,3,000g〜3,499gが71名(39.4%)と最も多かった。<br>6.母親の出産時年齢は,平均31.5歳で,30歳から34歳が49名(29.3%)と最も多かった。<br>7.先天異常を合併した患者は,22名(12.0%)に認められた。<br>8.手術総件数は554件で,手術内訳は口唇形成術が130件(22.3%)と最も多かった。<br>9.2014年から開始した往診数は45件で,その活動は患者家族の精神的負担を軽減できた。