著者
宮本 昇 相場 瑞夫 大野 勝次
出版者
Japan Society of Engineering Geology
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.191-202, 1967-12-01 (Released:2010-06-04)
参考文献数
11

地下水面はいろいろな要素で昇降するが, 大河川につづく沖積低地(畑地帯)でも全般には降水の影響が支配的である。降水のうち一部は土壌により保留されるが, その量は土壌水分恒数と水分能動層の乾燥の度合を明らか・にすることによっで求められる。圃場容水量を越える降水があれば重力水となっで地下水面に達し地下水面を上昇させるが, 重力水量と地下水面上昇の比はほぼ一定であることが確かめられ, これから帯水層の有効空隙率が求められた。河川水位は長期的季節的な変動では地下水位の最低水位を維持し, かなり広い範囲にわたっで影響を及ぼしうるが, 一降水ごとにみられる数日ないし十数日の周期での変動は河川のごく近傍の地下水面に影響を与えるのみである。
著者
仲宗根 敏幸 又吉 亮 宮本 昇 後藤 新平 平野 惣大 牧志 祥子 中村 博幸
出版者
一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
雑誌
日本口腔腫瘍学会誌 (ISSN:09155988)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.151-158, 2021

神経節細胞腫(GN)は,交感神経系または副交感神経系の神経節から発生すると考えられているまれな良性神経腫瘍である。3歳の時,副腎と右眼窩周囲骨に腫瘍を認め,神経芽腫(NB)Stage Ⅳと診断された。化学療法後,腫瘍を切除し,副腎の神経節芽腫(GNB)と眼窩周囲骨のGNの病理組織学的診断を得た。腫瘍は初発から21年後に頭蓋内硬膜で再発し,生検組織からGNと診断された。顎骨内のGNは,24年後に左側下顎,27年後に右側下顎で明らかとなり,切除された。病理組織学的には,腫瘍は成熟した神経節細胞で構成されていた。さらに,免疫組織化学で腫瘍細胞は,vimentin, S-100,neurofilament,Anti-Glia Fibrillary Acidic Protein (GFAP)およびsynaptophysinに対して陽性であり,α-Smooth muscle actin(α-SMA)およびCytokeratin AE1/AE3に対して陰性であった。Ki-67 labeling index (LI)は1%であった。最終診断としてGNであった。本症例は,一連の臨床経過から副腎腫瘍であったNBが両側下顎骨に転移し,長期経過をたどってGNとして発生した非常にまれな症例である。
著者
牧志 祥子 又吉 亮 宮本 昇 平野 惣大 仲宗根 敏幸 中村 博幸
出版者
社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.194-199, 2021
被引用文献数
1

<p>Malignant peripheral nerve sheath tumors (MPNSTs) are very rare malignant neoplasia that arise from the peripheral nervous system and show nerve sheath differentiation. We report a case of primary malignant peripheral nerve sheath tumor of the mandibular gingiva.</p><p> A 53-year-old male was referred to our hospital presenting with a mass and pain in the mandibular gingiva. He had no appreciable disease and paralysis of the lower lip.</p><p> Computed tomography showed resorption of the mandible but no obvious lymph node metastasis.</p><p> Biopsy revealed a possible invasive unusual neuroectodermal tumor. Surgical resection was performed and the frozen section showed negative margins.</p><p> Histology revealed atypical spindle cells with clear chromatin and clear nucleolus which had proliferated and loosely infiltrated, but the cell boundaries were unclear. Immunohistochemical staining showed positive results for S-100 protein, p53, and vimentin, but negative results for pan-cytokeratin (AE1 / AE3), Melan A, and desmin. The Ki-67 labeling index was 10%. Accordingly, we diagnosed a low-grade peripheral nerve sheath tumor of the mandibular gingiva.</p><p> There were no signs of recurrence or metastasis at two years postoperatively. MPNSTs have poor prognoses and require careful follow-up.</p>
著者
西原 一秀 後藤 尊広 宮本 昇 佐藤 範幸
出版者
一般社団法人 日本口蓋裂学会
雑誌
日本口蓋裂学会雑誌 (ISSN:03865185)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.33-40, 2021

2011年から2019年までの9年間に琉球大学病院歯科口腔外科を受診した口唇裂・口蓋裂一次症例183名について臨床統計学的解析を行った。また,2014年から開始した産科の往診システムの効果を検討し,以下の結果を得た。<br>1.9年間に当科を受診した一次症例は183名であった。<br>2.裂型別患者数では183名中,口唇(顎)裂が82名(44.8%),口唇口蓋裂が59名(32.2%),口蓋裂が42名(23.0%)であった。<br>3.男女比は,男性92名,女性91名で1.01:1とほぼ同数であった。<br>4.初診時年齢は,61名(33.3%)が生後7日未満に受診していた。<br>5.出生時体重は,平均2,978.4gで,3,000g〜3,499gが71名(39.4%)と最も多かった。<br>6.母親の出産時年齢は,平均31.5歳で,30歳から34歳が49名(29.3%)と最も多かった。<br>7.先天異常を合併した患者は,22名(12.0%)に認められた。<br>8.手術総件数は554件で,手術内訳は口唇形成術が130件(22.3%)と最も多かった。<br>9.2014年から開始した往診数は45件で,その活動は患者家族の精神的負担を軽減できた。