著者
佐藤 篤史 竹林 崇
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.230-237, 2019-04-15 (Released:2019-04-15)
参考文献数
13

脳卒中後手指伸展が出現しない事例に,実生活の麻痺手使用を促す目的で,カペナースプリント改良型を用いたCI療法を行った.方法は,先行研究で報告されたスパイダースプリントを併用し,亜急性期からCI療法を実施した.しかし,事例が日常生活における装具の使用を拒否したため,カペナースプリント改良型を開発し,使用した.介入前後で,Fugl-Meyer Assessment,Wolf Motor Function Test,Motor Activity Logが臨床上意味のある最小変化量を超えて改善した.さらに,福祉用具満足度評価は,スパイダースプリントよりもカペナースプリント改良型が良好であった.カペナースプリント改良型は,CI療法において有用な装具である可能性を認めた.