- 著者
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西田 修
佐野 文男
佐藤 直樹
五十嵐 究
木村 純
葛西 洋一
- 出版者
- 一般社団法人 日本消化器外科学会
- 雑誌
- 日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
- 巻号頁・発行日
- vol.17, no.9, pp.1758-1762, 1984 (Released:2011-03-02)
- 参考文献数
- 17
- 被引用文献数
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1968年から1982年までに当科で経験した40歳未満の若年者大腸癌23例の病態および治療成績に検討を加えた. 若年者大腸癌は全大腸癌の9.7%で, 平均病悩期間は4.5ヵ月, 腫瘍長径は6.6cmと高年者より発育が速い. 組織学的には低分化腺癌 (17%) と粘液癌 (33%) の頻度が高い. n (+) は若年者49%, 高年者38%, V (+) は若年者48%, 高年者32%, ly (+) は若年者47%, 高年者37%と, いずれも若年者の頻度が高い. 臨床症状は若年者に腹痛および肛門痛が39%と多い. 若年者大腸癌の再発率は60%, 5生率44%とその成績は不良で, 特に, 肝転移再発が38.5%と高いため, 門脈内への化学療法が望まれる.