著者
作山 葵 神部 芳則 早坂 純一 月村 久恵 井上 公介 林 宏栄 岡田 成生 野口 忠秀 森 良之
出版者
日本口腔内科学会
雑誌
日本口腔内科学会雑誌 (ISSN:21866147)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.7-12, 2018 (Released:2018-12-30)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

乾燥剤の誤飲・誤嚥は,高齢者や小児で多く認められる。酸化カルシウムは,食品乾燥剤として多用されており,シリカゲルと比較して誤飲した場合に発熱とアルカリによる粘膜腐食作用により症状が重症化しやすい。今回,われわれは乾燥剤の誤食により広範囲な口腔粘膜化学損傷を生じた1例を経験した。患者は74歳,女性で酸化カルシウムを誤食し当院を受診した。広範囲に口腔粘膜の潰瘍と舌の腫脹,口腔乾燥を認めた。入院の上,口腔衛生管理と栄養管理を行い症状は改善し15日目に退院となった。乾燥剤の種類と摂取量に基づいた適切な処置を行うことが肝要である。
著者
作山 葵
出版者
自治医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

高齢化が進行し骨粗鬆症の患者数が増加しており,ビスフォスフォネート系薬剤(以下BP薬)の服用による顎骨壊死が多く報告されている. BP薬がインプラントへおよぼす影響をインプラント周囲骨形成の観点から研究を行った.インプラントと骨接触率は,下肢においてBP薬投与の有無により顕著に有意差があった.下肢と顎骨では,インプラント周囲への新生骨形成が異なるため新生骨形成を解明するには顎骨を観察する必要がある.またBP薬を投与していない時に,活発な骨形成が認められた.BP薬は, インプラントが骨結合した後でもインプラント周囲骨へ影響をおよぼすため定期検診が重要である.