著者
保坂 遊 音山 若穂
出版者
一般社団法人 日本保育学会
雑誌
保育学研究 (ISSN:13409808)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.95-106, 2016 (Released:2017-03-22)
参考文献数
37

本研究では,児童養護施設の児童に対する心理的・行動的支援の一環として臨床美術による介入を行い,その実践を通して,児童の行動や情緒に肯定的な変化が認められるか否かについて検証することを目的とした。施設に入所する 32 名の児童を対象として,介入群と非介入群とに分け,介入群には計 8 回からなる臨床美術のセッションを行った。介入前後の CBCL を比較した結果では,介入群において CBCL 総得点をはじめ,内向尺度および攻撃的行動尺度に肯定的な変化が認められた。また,支援員や教諭の報告にも,介入後に肯定的な変化が認められる児童が含まれていることが示された。
著者
保坂 遊 青木 一則
出版者
聖和学園短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

保育所における3歳未満児への造形活動の実態調査より抽出された課題を基に、臨床美術を取り入れたプログラム開発と実践研究を行い、更に保育者養成カリキュラムの具体的なモデルを示した。宮城県内保育士1430名のアンケート調査では、発達の個人差への配慮、活動テーマや具体的内容、評価方法、子どもの満足度に対しての問題意識に有意差が認められた。また感覚を多用する臨床美術を導入したプログラム開発、保育園2カ所での実践を通し、乳幼児の活動に対する意欲向上や変化、保育士の気づきと理解について効果が認められた。更保育者養成における保育表現技術演習のカリキュラム案を作成し、造形表現技術の効果的な教授内容を提案した。