著者
保田 敬一 井口 進
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.22-00300, 2023 (Released:2023-11-20)
参考文献数
15

インフラシステム海外展開を推進していく上で本邦企業受注額を確保・増加させていくことは目標達成のためにも重要である.近年の国際協力に関するインフラ輸出競合国の援助状況を鑑みると,STEPや質の高いインフラ整備をはじめとする日本の円借款の方針も周辺の環境変化にうまく対応しているとは言い難いのが現状である.本研究では,円借款事業の本邦企業受注状況を整理する.そして橋梁を対象にプロジェクトの内訳を調査した後,STEPの適用状況を整理し,インフラ輸出の実績を伸ばしていくための方策について考察する.
著者
久保田 敬一 竹原 均
出版者
日本ファイナンス学会 MPTフォーラム
雑誌
現代ファイナンス (ISSN:24334464)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.3-23, 2007-09-30 (Released:2018-12-07)
参考文献数
25
被引用文献数
1

本研究は,Fama and French[1993]で提案されたファクターモデルにおいて導入されたSMBファクター,およびHMLファクターを,米国実証研究における標準的方法に基づいて日本データについて測定し,その特性を検証するとともに,日本市場におけるFama-French3ファクターモデルの有効性,頑健性を再検証する.1977年9月から2006年8月までの29年間のデータを使用して新たに分析を行った結果,HMLファクターは,現在でも期待リターンと統計的に有意な相関関係を持つことが明らかとなった.またSMBファクターに関しては,小型株効果が長期で安定的ではないことを原因として,期待リターンとの関係も不安定であった.しかしながら,アセットプライシングの実証分析上,不要とは判断すべきでないことを示唆する証拠も主成分分析の結果から得た.次に我々はスタイル分析を実施することにより,証券会社が情報提供し,実務界で広く利用されているスタイルインデックスと,SMB,HMLファクター構築の過程で計算されるFama-French6ベンチマークの性質が大きく異なることを示した.この結果,スタイルインデックスを代用して計算した擬似SMB,HMLではなく,Fama/French[1993]において提案された方法に従ってSMB,HMLファクターを測定することが,実証研究結果の国際比較可能性を確保するための必要条件であることを最後に主張する.