著者
松田 成弘 信澤 邦宏
出版者
群馬県水産試験場
巻号頁・発行日
no.11, pp.27-29, 2005 (Released:2011-03-05)

集落排水処理事業等の下水処理にあたっては、公共用水域へ処理水を放流する前に塩素等で消毒が義務づけられているため、残留塩素が河川へ流入することはある程度避けられない状況にあるものの、魚類死亡事故のうち残留塩素を原因とするものは少なくない。残留塩素には遊離残留塩素と結合残留塩素があるが、今回魚類に対して毒性がより強いと考えられる遊離残留塩素のアユとコイに対しての毒性試験を実施したので報告する。
著者
久下 敏宏 信澤 邦宏 舞田 正志
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.73-80, 2004-03-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
16
被引用文献数
2

榛名湖において, ワカサギ不漁年である1997年の5~6月での, 全長25cm以上のオオクチバス生息尾数は約2500尾と推定されるとともに, 全長25cm未満の卓越した年級群の存在が推察された。ワカサギ不漁年と豊漁年に, 1歳魚以上のオオクチバスの胃内容物を調査したところ, 両年ともに魚類と甲殻類を主な餌料としており, 魚類については, 不漁年はヨシノボリ属魚類, 豊漁年はワカサギの出現率が高かった。捕食されていたワカサギの成長段階は, 産卵期が親魚で, 夏以降が未成魚以上であった。また, 不漁年は豊漁年に比べ, オオクチバスの肥満度と胃内容物重量指数が低かった。さらに, 釣り大会秤量魚の平均体重が不漁期に減少することから, 榛名湖のオオクチバスにとってワカサギは重要な餌料であり, オオクチバス生息尾数の増減がワカサギ資源へ影響を及ぼしていると考えられる。
著者
泉 庄太郎 新井 肇 田中 英樹 小林 保博 西原 美知子 信澤 邦宏
出版者
群馬県水産試験場
雑誌
群馬県水産試験場研究報告 (ISSN:13421085)
巻号頁・発行日
no.12, pp.24-25, 2006-03

コイヘルペスウイルス病(KHV病)は持続的養殖生産確保法で特定疾病に指定されており、養殖場で発生した場合には、まん延防止対策として発生飼育池中のコイ(Cyprinus carpio)を全量処分することが望ましいとされている。群馬県では平成16年にKHV病が初めて発生し、各地の養殖場や天然河川でコイが大量斃死して産業的にも水圏環境的にも甚大な被害が続いた。しかし、コイが天然水域中にも普遍的に生息している魚類であることなどから感染源の特定にいたる事例は希である。このことはKHV病発生によって養殖コイの全量処分後、コイ養殖を再開する際に、養殖業者の心理的不安を増大させており、本県コイ養殖産業のKHV病被害からの復興に大きな障害となっている。そこで、本試験ではKHV病発生水域におけるコイ養殖再開の可能性を探索することを目的として、KHV病既発生養殖場でのKHVフリーのコイを用いた飼育試験を行った。
著者
久下 敏宏 信澤 邦宏 舞田 正志
出版者
水産増殖談話会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.73-80, 2004-03-20
被引用文献数
1

榛名湖において、ワカサギ不漁年である1997年の5~6月での、全長25cm以上のオオクチバス生息尾数は約2500尾と推定されるとともに、全長25cm未満の卓越した年級群の存在が推察された。ワカサギ不漁年と豊漁年に、1歳魚以上のオオクチバスの胃内容物を調査したところ、両年ともに魚類と甲殻類を主な餌料としており、魚類については、不漁年はヨシノボリ属魚類、豊漁年はワカサギの出現率が高かった。捕食されていたワカサギの成長段階は、産卵期が親魚で、夏以降が未成魚以上であった。また、不漁年は豊漁年に比べ、オオクチバスの肥満度と胃内容物重量指数が低かった。さらに、釣り大会秤量魚の平均体重が不漁期に減少することから、榛名湖のオオクチバスにとってワカサギは重要な餌料であり、オオクチバス生息尾数の増減がワカサギ資源へ影響を及ぼしていると考えられる。