著者
久下 敏宏 信澤 邦宏 舞田 正志
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.73-80, 2004-03-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
16
被引用文献数
2

榛名湖において, ワカサギ不漁年である1997年の5~6月での, 全長25cm以上のオオクチバス生息尾数は約2500尾と推定されるとともに, 全長25cm未満の卓越した年級群の存在が推察された。ワカサギ不漁年と豊漁年に, 1歳魚以上のオオクチバスの胃内容物を調査したところ, 両年ともに魚類と甲殻類を主な餌料としており, 魚類については, 不漁年はヨシノボリ属魚類, 豊漁年はワカサギの出現率が高かった。捕食されていたワカサギの成長段階は, 産卵期が親魚で, 夏以降が未成魚以上であった。また, 不漁年は豊漁年に比べ, オオクチバスの肥満度と胃内容物重量指数が低かった。さらに, 釣り大会秤量魚の平均体重が不漁期に減少することから, 榛名湖のオオクチバスにとってワカサギは重要な餌料であり, オオクチバス生息尾数の増減がワカサギ資源へ影響を及ぼしていると考えられる。
著者
二見 邦彦 古川 緒恵 舞田 正志 片桐 孝之
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.101-103, 2020-01

近年,我々はDAPI標識Aeromonas hydrophilaを感染させたワキンを組織透明化技術CUBICにより透明化し,病原体や病巣を3次元的に可視化できることを報告した。しかしながら,メラニンの有意な除去や,暗視野で組織の構造を視認することが課題として残された。本研究では,クロデメキンを過酸化水素の前処理によりメラニンを完全に透明化し,さらにヨウ化プロピジウムで染色することにより暗視野で組織の構造を可視化した。過酸化水素による前処理は,緑色蛍光タンパク質(GFP)の蛍光を消失させないことから,生体内GFPのイメージングへの適用に期待できる。
著者
斎藤 俊郎 堀口 新吾 齋藤 寛 舞田 正志
出版者
東海大学海洋学部
雑誌
東海大学紀要 海洋学部 (ISSN:03753271)
巻号頁・発行日
no.55, pp.79-87, 2003-03
被引用文献数
1

現行のトラフグ養殖を見てみると、餌料にはフグ毒が含まれない無毒のものが使用されている。上記観点からすれば、トラフグの養殖は"必要物質"としてのフグ毒がない状態で行われていることになる。トラフグ養殖における重要な飼育上の問題にトラフグ同士の噛み合いがある。従来、毒であるフグ毒を養殖トラフグに投与するという発想は無く、むしろ、養殖トラフグは無毒故に付加価値が高いとの考えもある。よって、フグ毒投与が養殖トラフグの噛み合いに及ぼす影響については全く検討されて来なかった。以上の状況を踏まえ、本研究ではトラフグにおけるフグ毒の機能解明の一環として、フグ毒投与が養殖トラフグの噛み合いに与える影響を検討した。その結果、フグ毒投与が養殖トラフグの噛み合いを著しく減少させることが明らかになったので報告する。
著者
久下 敏宏 信澤 邦宏 舞田 正志
出版者
水産増殖談話会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.73-80, 2004-03-20
被引用文献数
1

榛名湖において、ワカサギ不漁年である1997年の5~6月での、全長25cm以上のオオクチバス生息尾数は約2500尾と推定されるとともに、全長25cm未満の卓越した年級群の存在が推察された。ワカサギ不漁年と豊漁年に、1歳魚以上のオオクチバスの胃内容物を調査したところ、両年ともに魚類と甲殻類を主な餌料としており、魚類については、不漁年はヨシノボリ属魚類、豊漁年はワカサギの出現率が高かった。捕食されていたワカサギの成長段階は、産卵期が親魚で、夏以降が未成魚以上であった。また、不漁年は豊漁年に比べ、オオクチバスの肥満度と胃内容物重量指数が低かった。さらに、釣り大会秤量魚の平均体重が不漁期に減少することから、榛名湖のオオクチバスにとってワカサギは重要な餌料であり、オオクチバス生息尾数の増減がワカサギ資源へ影響を及ぼしていると考えられる。
著者
舞田 正志 片桐 孝之 二見 邦彦
出版者
東京海洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

平成18年5月にポジティブリスト制が導入されて以降,生産者の意図しない農薬の残留リスクをどのようにモニタリングするかが重要な課題となっている。本研究では,魚類の農薬曝露に対する生物学的反応を利用した,安価で簡便な農薬類曝露履歴監視システムの構築を目指した。その結果,MDR1タンパク質がティラピアにおいて有機塩素系農薬の残留をモニタリングする上でのバイオマーカーとなりうる可能性を明らかにした。