著者
坂脇 園子 武山 佳洋 坂脇 英志 俵 敏弘 岡本 博之
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.759-770, 2020-12-28 (Released:2020-12-28)
参考文献数
9

背景:救急救命士の生涯教育充実のため,北海道は独自に指導的救急救命士制度を平成24年に創設し,道南圏は平成26年に運用を開始した。目的:指導的救急救命士が生涯教育に及ぼした効果を検討する。方法:5年間の救急活動内容,生涯教育時間,指導時間を検討項目とし後方視的に検討した。また,アンケート調査を行い教育効果・課題を検討した。結果:指導的救急救命士は24名養成され,各消防本部に1〜6名が配置された。救急救命士による静脈路確保数,薬剤投与回数は大幅に増加した。消防本部内の指導時間は約7時間/ 年(救命士1人当たり)であり,生涯教育時間は増加傾向にあった。アンケート調査では,消防本部内研修や病院実習がより充実したという声が多かったが,課題についても明らかとなった。考察:救急活動の改善,生涯教育時間の増加や内容の充実化が示唆され,今後も本制度を指導者養成制度として活用したいと考える。
著者
俵 敏弘 武山 佳洋 葛西 毅彦 岡本 博之 上村 修二 井上 弘行 諸原 基貴 江濱 由松
出版者
市立函館病院
雑誌
函館医学誌 = Hakodate medical journal = Hakodate medical journal (ISSN:09100725)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.37-40, 2018-10-31

グリホサート・界面活性剤含有除草剤(glyphosatesurfactant herbicide;GlySH)は雑草枯死目的で用いられ,入手も容易であり,本邦では自殺目的の服用が多数報告されている1)。主な中毒作用としてはグリホサートによる腎機能障害や代謝性アシドーシス,界面活性剤による粘膜刺激・消化管腐食作用,肺障害,心筋抑制等が知られている2)。 今回我々は喉頭浮腫をきたした重症グリホサート中毒を4例経験したので,その病態および治療等について,文献的考察を加えて報告する。