著者
倉井 淳
出版者
鳥取大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

黄砂時粉塵の長期曝露が発癌に関与する可能性について,気道上皮構成細胞株を用いて検討を行った.その結果,比較的短時間の黄砂時粉塵による細胞株刺激でも,炎症発癌に関与するサイトカイン,酸化ストレスマーカーが誘導され,粉塵の長期曝露が発癌に関与する可能性が示唆された.また,鳥取県内に長期在住している非喫煙肺腺癌患者の術後肺標本における元素解析を蛍光X線法で行った.喫煙肺腺癌患者の標本でも同様の解析を行い両群間で元素成分について比較検討を行った.黄砂に付着する重金属などの非土壌成分について明らかな差異は認めらなかった.長期粉塵曝露が肺組織へ与える影響については今後さらなる検討が必要と考えられた.
著者
陶山 久司 上田 康仁 松波 馨士 中崎 博文 松本 慎吾 中本 成紀 重岡 靖 小西 龍也 清水 英治 牧野 晴彦 千酌 浩樹 龍河 敏行 小谷 昌広 森田 正人 倉井 淳 武田 賢一 澄川 崇
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.403-405, 2009
参考文献数
4

背景.内視鏡的腫瘍切除に先行して経皮的動脈塞栓術(TAE)を行った気管原発腺様嚢胞癌の1例を報告する.症例.84歳,男性.気管内腫瘍の切除目的で当院に紹介となった.気管内腫瘍は前医で既に腺様嚢胞癌と診断されていた.胸部造影CTでは造影剤に濃染する腫瘤だったこと,前医での生検時に出血の制御が困難だったことから処置前にTAEを追加した.腫瘍の栄養血管は右内胸動脈の縦隔枝で腫瘍濃染を認めた.右内胸動脈縦隔枝を塞栓した後,全身麻酔下で硬性鏡を用いて腫瘍を摘除した.結語.今回の報告例では,呼吸器インターベンションに先行して行うTAEは大量出血制御目的のオプションになりうると考えられた.