- 著者
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倉内 祐樹
- 出版者
- 公益社団法人 日本薬学会
- 雑誌
- ファルマシア (ISSN:00148601)
- 巻号頁・発行日
- vol.54, no.4, pp.356, 2018 (Released:2018-04-01)
- 参考文献数
- 3
「寝る子は育つ」,「果報は寝て待て」,「早起きは三文の徳」などのことわざにもあるように,睡眠は私たちの生活に必要不可欠なイベントである.しかし,現代の24時間型生活スタイルや多忙に伴う睡眠サイクルの乱れは睡眠の質を低下させ,日本のみならず諸外国でも生活の質(Quality of life)を著しく低下させる原因となっている.睡眠不足は仕事能率の低下,うつ病や認知症,循環器系疾患のリスクを高めることが知られているが,睡眠不足の健康への影響は未だ不明な点が多い.本稿では,睡眠不足が疼痛感受性を亢進させることを実証したAlexandreらの論文を紹介する.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) Fossum I. N. et al., Behav. Sleep Med., 12, 343-357(2014).2) Luyster F. S. et al., Sleep, 35, 727-734(2012).3) Alexandre C. et al., Nat. Med., 23, 768-774(2017).