著者
倉沢 新一 菅原 龍幸 林 淳三
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.29, no.7, pp.400-406, 1982-07-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
14
被引用文献数
10 15

栽培種および野生種のキノコ類の31種43試料について,その一般成分と26種27試料につきのDF量の分析を行った。その結果,タンパク質や脂質は一般に低い値であったが,炭水化物や灰分はかなり高い値を示した。DFを定量する際,試料を加熱乾燥すると加熱によりNDF量の増加が認められた。DFについては,NDF, ADF,リグニン,ペクチン様物質および粗繊維を定量した。キノコ類中のDFの平均の値は,乾燥重量あたりNDF 35.7%, ADF 14.3%,リグニン2.9%,ペツチン様物質3.7%であった。したがってセルロース量11.4% (ADFとリグニンとの平均値の差でも11.4%),ヘミセルロース量21.4%(NDFとADFとの平均値の差でも21.4%),総DF量39.4%ほどであった。NDFとペクチン様物質を合計し総DFとし,これと粗繊維との比を求めると5.8となり高い比率が得られた。
著者
倉沢 新一 菅原 龍幸 林 淳三
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.29, no.7, pp.400-406, 1982
被引用文献数
2 15

栽培種および野生種のキノコ類の31種43試料について,その一般成分と26種27試料につきのDF量の分析を行った。その結果,タンパク質や脂質は一般に低い値であったが,炭水化物や灰分はかなり高い値を示した。<BR>DFを定量する際,試料を加熱乾燥すると加熱によりNDF量の増加が認められた。<BR>DFについては,NDF, ADF,リグニン,ペクチン様物質および粗繊維を定量した。キノコ類中のDFの平均の値は,乾燥重量あたりNDF 35.7%, ADF 14.3%,リグニン2.9%,ペツチン様物質3.7%であった。したがってセルロース量11.4% (ADFとリグニンとの平均値の差でも11.4%),ヘミセルロース量21.4%(NDFとADFとの平均値の差でも21.4%),総DF量39.4%ほどであった。<BR>NDFとペクチン様物質を合計し総DFとし,これと粗繊維との比を求めると5.8となり高い比率が得られた。
著者
山田 哲雄 倉沢 新一 笠原 久弥 林 淳三
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.23-33, 1996-03-31 (Released:2011-01-31)
参考文献数
62

本研究は, エネルギー1, 000kca1当たりの栄養素摂取量を維持する食事条件下での5日間の運動 (1時間または2時間/日) 時におけるナトリウム (Na), カリウム (K), カルシウム (Ca), マグネシウム (Mg) およびリン (P) 出納の変動を検討するために行われた.健康な男性5名が被験者となった. 実験は6日間の安静期に続くおのおの5日間の第1運動期および第2運動期から構成された.運動期には, 60%V02maxを目標強度とした自転車エルゴメーターによる60分間 (第1運動期) または120分間 (第2運動期) の運動が負荷された.付加エネルギー摂取量は, 付加運動によるエネルギー消費量に応じて計算された.安静期のレベルを上回るNa, K, CaおよびMgの汗中排泄量の増加分は, これらの摂取量の増加分を下回った. 尿中排泄量の減少によるNaとPの体内保留が観察されたが, K, CaおよびMgの出納は変化しなかった. 尿中アルドステロン排泄量と血清副甲状腺ホルモン (PTH44-68) は, わずかに増大した. 以上のことから, 運動時におけるエネルギー1, 000kca1当たりの栄養素摂取量を維持する食事方法がこれらの無機質については理にかなっていることが示唆された.