著者
久野 和宏 倉田 勤 野呂 雄一 井 研治
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.318-326, 1991-05-01
被引用文献数
2

幾何音響学に基づき直方体室内の音線を斜め波、接線波及び軸波にグループ分けし、各グループに含まれる音線と室表面との衝突周波数の分布について考察した。残響場における音響エネルギーの時間減衰は衝突周波数の分布の母関数で表され、そのレベル波形は衝突周波数の分散及び室表面の吸収率が大きくなるにつれ湾曲することを示した。すなわち、残響特性のいわゆる曲がりは、グループ間及びグループ内の音線の特性のばらつきに由来することを示した。また、定常場における各グループのエネルギー分担率と室形状及び吸収率との関係について検討を行った。