著者
浅山 滉 中村 裕 緒方 甫 森田 秀明 児玉 俊一 畑田 和男
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.121-130, 1984-06-01
被引用文献数
1

国際障害者年を記念して, 初の大分国際車いすマラソン大会(ハーフマラソン:21.1km)が催された. 参加各国選手から任意に選んだ選手を対象に, 大会における選手の体力医学的検討を行った. 脊髄損傷による対麻痺者は体力の向上が望まれるが, 病態生理学的に問題が多く, 持久的体力を必要とする運動には危惧の念があった. 予備試験で車いすトレッドミルの負荷テストを行い, 各人の心拍数と酸素消費量(V0_2)の相関式を得て, 実際のレース時に装着した心拍数記憶箱から得られた値を基に, レース中の推定V0_2を得た. (結果)平均87.1±9.1分間(n=5)にV0_2-34.17+8.11ml/kg/minであり,レース中の高い心拍数(191-152拍/分)の割には低いV0_2であった, 脊損者は事故もなくこの持久運動に十分に耐え, 車いすマラソンは対麻痺者の体力向上に優れたスポーツであると考えられたが, 被検者は体力向上の余地があると思われた.