著者
工藤 欣邦 河野 香奈江 木戸 芳香 兒玉 雅明 藤田 長太郎
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.281-284, 2014 (Released:2014-09-26)
参考文献数
8

目的 : 大学生におけるインフルエンザ対策の励行状況を調査し, 今後の感染予防対策に関する啓発活動に役立てることを目的とする.方法 : 健康診断にて保健管理センターへ来所した大分大学の学生を対象に, インフルエンザワクチンの接種や, 日常生活における感染予防対策の励行に関するアンケート調査を行った.結果 : 2,752名の学生にアンケートを依頼した. アンケートは2,579名から回収し (回収率93.7%) , 2,489名から有効な回答が得られた (有効回答率96.5%) . 学生のワクチン接種率は21.0%で, 男性19.1%, 女性23.7%と男性の接種率が有意に低かった. 手洗いの励行率は71.7%であったが, うがい, マスクの着用, 人ごみを避ける, の3項目は励行者が半数に満たなかった. また, ワクチン非接種群は接種群と比較して4項目すべての励行率が有意に低かった.結論 : 大学生のインフルエンザ感染予防対策として, ワクチン接種やうがい, マスクの着用, 人ごみを避けることを励行させるための啓発活動が必要と考えられたが, 男性に対するワクチン接種や, ワクチン非接種者に対する日常生活指導が特に重要と考えられた.
著者
佐藤 竜吾 藤岡 利生 村上 和成 兒玉 雅明
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.100, no.11, pp.1295-1301, 2003-11-05 (Released:2008-02-26)
参考文献数
35

近年の膨大な研究により,Helicobacter pylori感染が上部消化管疾患のみならず,血液疾患,心・血管系疾患,皮膚疾患など消化器以外の疾患と関連している可能性が示唆されている.さらに,胃外に発生したMALTリンパ腫の除菌奏功例も報告されている.特発性血小板減少性紫斑病に関しては,わが国ではH. pylori陽性患者の約半数に除菌治療が期待できる状況にあり,近い将来,除菌適応疾患に加わる可能性が高い.本稿で紹介した疾患の中には,エビデンスが不十分なものも少なくなく,また疾患によりH. pylori感染の関与の程度も様々と思われる.今後,各専門家が協力して慎重に検証していく必要がある.