著者
佐藤 洋一郎 伊藤 敏雄 加藤 鎌司 河原 太八 藤岡 利生 万年 英之 鞍田 崇 西田 英隆 細谷 葵
出版者
総合地球環境学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

「人類世」という新しい地質年代を提唱されているが、これは産業革命以降の急速なエネルギー消費により、人間活動が地球環境に大きな影響を及ぼすようになったことを、地質学的にも記述すべきとの判断による。しかし、環境の歴史を丁寧に調査すると、人間活動の影響は産業革命のはるか前から、われわれの想像を超えてはるかに大きかったことがわかってきた。
著者
木村 健 浅香 正博 勝山 努 川野 淳 斉藤 大三 佐藤 貴一 下山 孝 杉山 敏郎 高橋 信一 服部 隆則 藤岡 利生
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.96, no.2, pp.199-207, 1999-02-05
被引用文献数
17

第二次<I>Helicobacter pylori</I>治験検討委員会が改訂した治験ガイドラインの主な内容は,以下の通りである.<BR>I.除菌の利点と問題点: 利点は消化性潰瘍の再発抑制効果,そして低悪性度胃MALTリンパ腫の改善,かつそれらの医療経済効果である.問題点は薬剤耐性の獲得,および除菌後に新たに生じる疾患があり得ることである.<BR>II.除菌治験の適応疾患: 除菌治験を速やかに行うべき疾患は,現在のところ,胃・十二脂腸潰瘍と低悪性度胃MALTリンパ腫である.<BR>III.除菌薬: 酸分泌抑制薬+抗菌薬2剤の3剤併用療法をfirst-line therapyとする.<BR>IV.存在診断と除菌判定: 存在診断は培養,鏡検,ウレアーゼ試験にて行う.除菌判定は,培養と鏡検に加えて<SUP>13</SUP>C尿素呼気試験を必須とし,血清学的検査法とPCR法を削除する.除菌判定の時期は,治療終了後6~8週とする.
著者
堀 高志 藤岡 利生 村上 和成 首藤 龍介 末綱 純一 寺尾 英夫 松永 研一 糸賀 敬 村上 信一 柴田 興彦 内田 雄三
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.27, no.12, pp.2775-2781_1, 1985-12-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
27

胃憩室は消化管憩室の中では比較的稀なものであり,胃憩室の発生頻度は一般に0.01%から0.20%との報告が多い.胃憩室の多くは,噴門部小彎後壁寄りに発生し,体部大彎に発生するものは極めて稀である.また,大きさについては,広田らによれぼ2.1cmから3.0cmのものが最も多く,5.1cmを超えるものは6.9%にすぎない.更にその壁構造については,一般に真性憩室が多いとされている. 症例は48歳女性,胸やけ,心窩部痛,体重減少を主訴として入院した.上部消化管X線検査にて胃体部大彎側に巨大な憩室を認め,内視鏡検査にても同様の所見であった.保存的療法にても自覚症状改善しないために手術が施行された.憩室は11.5cm×8.0cmの大きさで,組織学的には仮性憩室であった.
著者
佐藤 竜吾 藤岡 利生 村上 和成 兒玉 雅明
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.100, no.11, pp.1295-1301, 2003-11-05 (Released:2008-02-26)
参考文献数
35

近年の膨大な研究により,Helicobacter pylori感染が上部消化管疾患のみならず,血液疾患,心・血管系疾患,皮膚疾患など消化器以外の疾患と関連している可能性が示唆されている.さらに,胃外に発生したMALTリンパ腫の除菌奏功例も報告されている.特発性血小板減少性紫斑病に関しては,わが国ではH. pylori陽性患者の約半数に除菌治療が期待できる状況にあり,近い将来,除菌適応疾患に加わる可能性が高い.本稿で紹介した疾患の中には,エビデンスが不十分なものも少なくなく,また疾患によりH. pylori感染の関与の程度も様々と思われる.今後,各専門家が協力して慎重に検証していく必要がある.
著者
今西 康次 緒方 健志 松塚 敦子 田崎 貴子 藤岡 利生 明石 光伸 牧野 芳大 西園 晃
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.18-23, 2003-01-20 (Released:2011-02-07)
参考文献数
10
被引用文献数
2 4

慢性活動性胃炎, 消化性潰瘍の原因のみならず, その長期にわたる感染が胃MALTリンパ腫や胃癌の発生にも関係すると考えられているHelicobacter pyloriの感染経路については口-口, 糞-口感染, 特に飲料水がその主なものと考えられているが不明な点も多い. 今回, 大分県内で飲用に供されている井戸水中のH. pylori混入の可能性を探るために, 同県内39箇所43検体の井戸水 (開放式, 閉鎖式, 湧き水式) について, H. pylori特異的PCR法と培養による検討を行った. その結果, ureA遺伝子領域で4カ所, 16SrRNA領域で1カ所, H. pylori遺伝子が検出されたが, 培養ではいずれも陰性であった. これよりH. pyloriの飲料水, 特に井戸水を介した感染の可能性が改めて示唆された.