著者
入山 義久 飯塚 修 高山 光男
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.169-172, 2002 (Released:2004-08-27)
参考文献数
5
被引用文献数
3 4

国内に自生する草本性の在来種4種について, 収集した種子から育苗定植した株及び収集した母株を供試し, 開花期間及び採種性の調査を行った。種子採種が可能となる所要年数は, 種子から育苗定植した場合は, カワミドリ及びエゾミソハギで育苗定植当年, オミナエシ及びオトコエシで翌年, 一方, 収集母株を移植した場合は, 4種ともに移植当年であった。採種量は, オミナエシ及びオトコエシは年次経過に伴い増加したが, カワミドリは減少し, エゾミソハギは年次により変動した。10 a当りの期待採種量は, 最大でカワミドリ25 kg以上, エゾミソハギ40 kg前後, オミナエシ30 kg以上, オトコエシ30 kg前後と試算された。供試した在来種4種は, 圃場での種子の大量生産が可能であることが示唆され, また緑化に利用可能な有望草種と判断された。
著者
入山 義久 飯塚 修 高山 光男
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.169-172, 2002-08-31
被引用文献数
2 4

国内に自生する草本性の在来種4種について,収集した種子から育苗定植した株及び収集した母株を供試し,開花期間及び採種性の調査を行った。種子採種が可能となる所要年数は,種子から育苗定植した場合は,カワミドリ及びエゾミソハギで育苗定植当年,オミナエシ及びオトコエシで翌年,一方,収集母株を移植した場合は,4種ともに移植当年であった。採種量は,オミナエシ及びオトコエシは年次経過に伴い増加したが,カワミドリは減少し,エゾミソハギは年次により変動した。10a当りの期待採種量は最大でカワミドリ25kg以上,エゾミソハギ40kg前後,オミナエシ30kg以上,オトコエシ30kg前後と試算された。供試した在来種4種は,圃場での種子の大量生産が可能であることが示唆され,また緑化に利用可能な有望車種と判断された。
著者
吉原 敬嗣 入山 義久
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.614-619, 2018

<p>日本緑化工学会生態・環境緑化研究部会の「阿蘇小規模崩壊地復元プロジェクト」活動として2017年11月,熊本県熊本市波野にてススキの穂(種子)を採取した。本稿は採取作業,精選作業,性状調査の結果を一事例として報告するものである。一部時間の参加者を含む13 名が62 時間の合計作業時間で採取できたススキの穂は,土嚢袋60 袋分で約34 kgであり,採取効率は1人1時間当たり0.553 kgとなった。採取したススキの穂について脱穀機や篩を使い精選方法を検討した結果,篩選を採用し,歩留り67.0%で約23 kgの精選種子を得た。精選完了直後に先行して種子の性状調査を実施し,純度83.4%,1 g当たりの種子粒数1,486という結果が得られ,また,強精選により得られた頴果の発芽率については3つの温度条件で比較し,30℃明条件8 hr-20℃暗条件16 hrの変温区で最も高い87.0%の発芽率が記録された。約1か月後に種子品質証明書発行のための小穂の性状調査を行った。その結果,純度85.9%,1 g当たりの種子粒数1,653,および前述の発芽条件下で53.0%の発芽率が記録されたことから,証明書を発行した。また,小穂の中に穎果が入っていないシイナの割合は42.0%だった。別途行った面積当たりの採取効率の検討については,面積,人数,時間,ススキの穂の本数,各種重量を測定し,1 m2当たり40 本,1人1時間当たり約550 本が採取可能と計算できた。</p>
著者
入山 義久 小林 淳彦
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.200-203, 2012 (Released:2013-04-16)
参考文献数
2

積雪寒冷地における水田畦畔管理の省力化を目的に,草丈の低いクリーピングベントグラスを用いた水田畦畔の緑化方法を検討した。長野県内の5 ヶ所の水田畦畔および畑地法面において,幾つかの播種方法を比較し,ベントグラスの被度の推移を調査した。泥団子の投げつけおよびジョーロによる散布は,資材の混合や播種作業に手間が掛かり,また張芝は養生のための土地の確保が問題となった。一方,作業性およびベントグラスの定着から見ると,種子を実播した後に,水に溶かした糊剤を動力噴霧器あるいは背負子式噴霧器を用いて散布する方法が最適であった。また,埋土種子からの雑草の発芽に備え,除草剤の散布と播種時期の選定が重要であった。