- 著者
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河原 菜摘
入村 健児
内村 智香子
緒方 昌倫
- 出版者
- 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
- 雑誌
- 医学検査 (ISSN:09158669)
- 巻号頁・発行日
- vol.68, no.4, pp.758-762, 2019
<p>20歳代,男性。バイク転倒時の右膝擦過傷から毒素性ショック症候群(toxic shock syndrome; TSS)を発症した。主訴は発熱,嘔吐,下痢であった。検査データ,消化器症状,結膜充血,皮膚紅潮からTSSが疑われた。右膝擦過傷の培養検査で黄色ブドウ球菌(<i>Staphylococcus aureus</i>; <i>S. aureus</i>)を分離した。分離株のスーパー抗原検査は,SEA(staphylococcal enterotoxin A)および,TSST-1(toxic shock syndrome toxin-1)が陽性であった。血液培養は2セット(4本)すべて陰性であった。不適切な右膝擦過傷の処置に加えて,患者の右膝皮膚にTSST-1産生遺伝子保有<i>S. aureus</i>が常在していた可能性があったことも,TSSを発症した原因であると考えられた。</p>