著者
柴田 孝弥 三井 敬盛 全並 秀司 柄松 章司 杉浦 博士 西田 勉
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.939-944, 2012-07-20

要旨 患者は83歳,男性.腹痛と嘔吐のため入院した.精査で胃石の嵌頓による小腸イレウスと診断し,コカ・コーラによる溶解療法を試みた.胃石の分解がみられたがイレウスは改善せず,腹膜炎所見が出現したため緊急手術を施行した.落下した胃石が小腸に嵌頓しており,小腸を切除した.切除腸管は潰瘍と虚血性壊死を認めた.コーラによる胃石溶解療法は簡便で有効な治療法であるが,嵌頓胃石によるイレウスでは腸壁の循環障害が生じている可能性があるため,つねに緊急手術の可能性を念頭に置くことと,コーラによる溶解療法の適応は慎重に判断することが重要と考えられた.
著者
谷脇 聡 伊藤 寛 全並 秀司 山下 年成 寺下 幸夫 本多 弓尓 江口 武史
出版者
The Japanese Society of Gastroenterological Surgery
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.34, no.11, pp.1675-1679, 2001
被引用文献数
2

Hirschsprung病(以下, 本症)は, ほとんど, 乳児期までに腹満, 高度の便秘を契機に診断され, 根治手術が施行される. 今回, 我々は本症成人例の2例を経験した. 症例1は23歳の男性. 便秘・腹満の増悪と腹痛により来院. 症例2は47歳の女性. 主訴は発熱, 下痢, 食欲不振. 体重減少(9kg/2か月)を伴い, 来院時, 貧血と, 糞便貯留による閉塞性腸炎の所見が著明で, 他の炎症性腸疾患との鑑別を要した. 2例とも, 幼児期より高度の便秘がみられ, 浣腸, 下剤によりコントロールされていた.注腸造影X線検査で直腸下部にcaliber changeを認め, 直腸肛門管内圧検査では内括的筋弛緩反射は見られなかった. 手術は, Duhamel-池田法を行い, 術後, 症状は著明に改善した. 小児外科が確立された現在, 成人まで本症と診断されない症例は稀であるが, 小児期から持続する難治性の便秘と巨大結腸像を認める症例では, 本症を念頭においた検索が重要であると考えられた.