著者
八田原 慎悟 藤井 叙人 古屋 晋一 風井浩志 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.2782-2795, 2009-12-15

脳活動とテレビゲームの関係に注目した関連研究の多くで,テレビゲーム実施時の前頭前野活動の低下が報告されてきた.しかし,これらはゲーム初中級者を対象としたものに限られ,熟達者の脳活動の活動様相および熟達にともなう変化については未解明の点が多い.本研究では2名の熟達者が「未熟達のゲーム」に訓練を重ねて熟達していく過程で脳活動にどのような変化が起こるのかを運動技能とあわせて検討を行った.その結果,当該熟達者の前頭前野活動は,学習初期に上昇し,学習中期には低下し,学習後期には再び上昇するというU-shapeを示した.
著者
八田原 慎悟 藤井 叙人 長江 新平 風井浩志 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.3859-3866, 2008-12-15

脳活動とテレビゲームの関係に注目した関連研究の多くで,テレビゲーム実施時に前頭前野の脳活動が低下することが報告されてきた.テレビゲームに限らず,メディアインタラクションにおいては年齢,熟達度,さらには嗜好や没入の度合いに応じて,ヒトへの影響に違いが生じると考えるのが自然であろう.本研究ではテレビゲームにおける熟達度に焦点を当て,2つのジャンル(シューティング,リズムアクション)のゲームを実施している際のヒトの脳活動を熟達者,中級者,初心者の3種類の条件でfNIRS(機能的近赤外分光法)によって計測し,比較,検討した.その結果,熟達者においては,テレビゲーム実施時に前頭前野の脳活動が上昇するという関連研究とは異なる状況が観測された.またゲームタイトル,ジャンルを変えた場合の熟達者の脳活動を計測した結果,熟達したゲームにおける脳活動が最も上昇するという結果を得た.
著者
八田原 慎悟 藤井 叙人 古屋 晋一 風井浩志 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.2782-2795, 2009-12-15

脳活動とテレビゲームの関係に注目した関連研究の多くで,テレビゲーム実施時の前頭前野活動の低下が報告されてきた.しかし,これらはゲーム初中級者を対象としたものに限られ,熟達者の脳活動の活動様相および熟達にともなう変化については未解明の点が多い.本研究では2名の熟達者が「未熟達のゲーム」に訓練を重ねて熟達していく過程で脳活動にどのような変化が起こるのかを運動技能とあわせて検討を行った.その結果,当該熟達者の前頭前野活動は,学習初期に上昇し,学習中期には低下し,学習後期には再び上昇するというU-shapeを示した.Previous studies have focused on the relation between playing video games and brain activity. Most of these studies have reported that the prefrontal cortex shows decrease in its activity during playing video games. However, it seems reasonable to assume that the effect of playing games on the brain activity is dependent on the player's mastery level. As an initial step to address this issue, we examined brain activity at the prefrontal cortex while two top-level game players ("masters") were learning to master video games using functional near-infrared spectroscopy (fNIRS). Results demonstrated that their prefrontal activity during playing the game varied with the stage of learning; it increased at the early stage of learning, then decreased, and increased again at the later stage. These findings imply that prefrontal activity during playing the game might change in relation to learning stage and expertise, presumably which would provide implication for designing and programming a novel video game.
著者
八田原 慎悟 藤井 叙人 長江 新平 風井浩志 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.3859-3866, 2008-12-15
被引用文献数
1

脳活動とテレビゲームの関係に注目した関連研究の多くで,テレビゲーム実施時に前頭前野の脳活動が低下することが報告されてきた.テレビゲームに限らず,メディアインタラクションにおいては年齢,熟達度,さらには嗜好や没入の度合いに応じて,ヒトへの影響に違いが生じると考えるのが自然であろう.本研究ではテレビゲームにおける熟達度に焦点を当て,2つのジャンル(シューティング,リズムアクション)のゲームを実施している際のヒトの脳活動を熟達者,中級者,初心者の3種類の条件でfNIRS(機能的近赤外分光法)によって計測し,比較,検討した.その結果,熟達者においては,テレビゲーム実施時に前頭前野の脳活動が上昇するという関連研究とは異なる状況が観測された.またゲームタイトル,ジャンルを変えた場合の熟達者の脳活動を計測した結果,熟達したゲームにおける脳活動が最も上昇するという結果を得た.There are many studies that focused on the relation between playing video games and brain activities. Most of the studies have reported that the brain activity deactivates at the prefrontal cortex in playing video game. However, it is natural to regard that the influence on human varies with player's age, attitude or mastery level. In this paper, we focus on the mastery level of the video game. We measured the brain activity at the prefrontal cortex with fNIRS (functional Near-infrared Spectroscopy) while beginners, intermediate players, and masters playing video games. We observed activation of brain activity at the prefrontal cortex while masters were playing the game that they have mastered. The activation of the prefrontal cortex of the masters was higher when they played their mastered game than those when they played non-experienced games or games of non-mastered genre.